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2003/12/09

イラクへの自衛隊派遣

イラク自衛隊派遣の基本計画が公表されました。未だ与党内に示した段階のようですが。 派遣される場合,治安の良いイラク南東部になる模様です。
 私などは単純に考えて,なくなった外交官やジャーナリスト,NGOメンバーなど,民間の日本人が既にイラクに入って,バグダッドやイラク北部など,危険な地域で活動しているのに,武装した軍隊が,治安の良い南東部に行くというのが,「なんだか変」だなと思います。自衛隊が,なるべく戦闘行為を行わずに済むように,治安の良い地域に行くということが本音でしょう。過去の軍部による外国の侵略への反省から,日本自ら(というか,はじめはアメリカから押し付けられたわけですが)課した制約によって,自衛隊が外国の「戦場」へ行くことを禁じているわけです。民間人が危険な場所で活動し,武装した軍隊が安全な場所で活動するという「なんか変」な状態は,これまで憲法論議を先送りし,すっきりした形で問題が解決できていないための歪です。
 話は飛びますが,かつて日本は鎖国をして,その中で結構繁栄し,人々はわりと幸せに暮らしていました。明治時代に入り,外国と付き合うようになりましたが,最近までかなり日本独自の経済運営が行われていました。たとえば,日本では複雑な商品流通経路を持ち(一時,外国から非関税障壁などと言われましたね),商品が製造されてからたくさんの人手を経て,そのたびに商品価格は高くなって,消費者の手に渡る頃には,外国の同種の商品に比べ,えらく高いものとなっていました。でも,商品は流通の途中でたくさんの人手に渡り,何人もの人がその商品を持ち扱って働いていたので,失業率が少ない世の中でした。単純に言えば,その商品(またはサービス)に対して,たくさんの人が係わって働いていたので,失業率は低かったのですが,その低い失業率のつけとして,物価の高い国だったのです。ところが,日本の経済が世界の五本の指に入るくらい大きくなると,外国が目を付け,人手をかけない商品を日本に供給するようになり,そのおかげで物価は安くなりましたが,失業は増えました。これがグローバル化です。日本人がグローバル化で幸せかどうかにかかわらず,日本経済が大きくなるにしたがって世界経済に組み込まれ,物価は世界並に安くなり,失業は世界並に多くなってきました。経済の上で,もう日本は世界と異なっている事は許されない世の中になってきたのです。
 軍事面でも同じようです。世界各国は軍隊を持ち,軍隊として他国にも派遣されます。日本だけが「世界」と異なっていることが許されない世の中になっているのだと思います。それで日本人が幸せかどうかにかかわらずです。日本人が,あらゆる面で(主として経済的にでしょうが)世界並になろうとして,そうなったおかげで,日本人が幸せかどうかにかかわらず,「世界」と異なっていることが許されないのです。経済的に取るに足りない国ならば,「世界」と異なっていても,外国は気にしないんでしょうが,「世界」に気にされるほど,大きな存在になってしまったのです。そうなってしまった国の,義務のようなものかもしれません。
 ただ,その「世界」というのが,往々にして「アメリカ」と言い換え可能だったりするのが,腹立たしかったりします。
 イラクへの自衛隊の派遣については,日本でも賛否両論がありますが,そんな日本人の気持ちにかかわらず,グローバル化の大きな流れの中に日本も巻き込まれているようです。

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