映画「アヒルと鴨のコインロッカー」
以前このブログでで紹介した伊坂幸太郎著「アヒルと鴨のコインロッカー」が映画になって,この2月にDVD化されました。この映画は,原作を読んだときから見たいと思っていたものですが・・・というより,私の場合,映画の紹介番組を見て原作を読んだんです。さてこの映画,原作を読んだ者としてはやはり本と比べてしまって,正当な映画としての評価ができないんですね。
原作では「種明かし」が本当にラスト近くにあって,その衝撃の余韻覚めやらぬ間にエンディングを迎えるのですが,映像ではそうはいきませんでした。種明しの後に前のエピソードが別の俳優で繰り返され,その分エンディング迄の時間を取ってしまいます。そして,原作では現在と2年前の河崎のエピソードが交互に語られるのに対して,映像では種明しの後に語られます。つまり,あの人を演じる「あの俳優」は種明しの後にしか登場しないのです。あの原作を映像化するとき,そんな構成となってしまうのは必然なのかもしれませんが,物語の印象というか,物語の「キレ」が,そのために大分変わってしまいました。
濱田岳や瑛太達,俳優陣は頑張っているし,あの原作はこのようにしか映像化できないと思います。多分原作を読んで無い人が映画を初めて観たら,また別の感想を持つのだろうなと思います。
瑛太など,初めて登場した時,NHK大河ドラマ「篤姫」でのイメージとずいぶんと異なり,さすが役者だと思いました。大河ドラマでは,今のところなんだか頼りない若者というイメージですが,後に薩摩藩家老となり,西郷隆盛や大久保利通等,下級武士でしかない彼らに対して藩上層部として明治維新へ繋がる行動へのお墨付きを与え,維新を支援して,鹿児島で銅像が立てられるような人物になっていく様を,確かに演じられるだろうなと思える演技でした。
この映画,過去の部分が原作に比べて手薄に感じられました。それはやはり120分以内に収めなければならないという映画の宿命と,あのどんでん返しの存在のせいだろうと思います。やはりこの原作は,映像化に無理があったのだと思うんですが,原作を読んでいない人の評価も聞いてみたいと思います。
(あからさまに内容を紹介すると,原作を読んでおらずかつ映画も観ていないひとの楽しみを奪うことになるので,あいまいな表現になって,内容を知らない人にとって何の紹介にもなっていない文章になってしまいました。)
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