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2014/05/13

アマゾンポイントへの出版社の反対

Book 出版社の緑風出版,晩成書房,水声社がアマゾンへの出荷を停止するという事件がおきました。近く三元社と批評社も同様の対応を取るという話もあります。
 アマゾンが始めた学生に対する10%のポイント還元が,再販商品である書籍を対象にするのがふさわしくないという事で,今回の措置に至ったものです。つまり,再販制度をなんとしても守ろうという動きです。
 再販制度(再販売価格維持制度)は,商品の生産者が小売業者に対して,販売価格を指示できる制度です。日本では,書籍・雑誌・新聞・音楽ソフト・タバコにこの制度が適用されています。
 出版社の団体,日本書籍出版協会のホームページには,この再販制度に対する見解が示されており,再販制度が廃止されて定価が維持できなくなると,以下のようになってしまうというと示されています。

−−−<引用開始>−−−−−−−−−−−−−−−−
日本書籍出版協会の再販制度に関する見解
① 本の種類が少なくなり、
② 本の内容が偏り、
③ 価格が高くなり、
④ 遠隔地は都市部より本の価格が上昇し、
⑤ 町の本屋さんが減る、
という事態になります。
再販制度がなくなって安売り競争が行なわれるようになると、書店が仕入れる出版物は売行き予測の立てやすいベストセラーものに偏りがちになり、みせかけの価格が高くなります。
また、専門書や個性的な出版物を仕入れることのできる書店が今よりも大幅に減少します。
−−−<引用終了>−−−−−−−−−−−−−−−−

 この再販制度に対する私の意見は,もう8年前になりますが,このブログに書いた事があります。ネット書店のおかげで,おそらく再販制度がなくなっても「消費者に対する影響」は無いと思います。
 そもそも,本屋さんの減少は,再販制度の有無というより,むしろネット書店の発達による事の方が原因として大きいと思います。おそらく,都市部の大書店や,よほど品揃えが専門的な書店が残るだけになるかもしれません。
 しかしどんな遠隔地でも,都市と同じ値段で本を手に入れる事ができるシステムができてしまっているのだから,本屋さんの存否には関係なく,ネット書店経由で,世界のどこにいても本を購入できるでしょう。
 出版社,特に中小出版社は,再販制度が無くなってもほとんど影響がないのではないかと思います。こちらも再販制度云々よりも,ネット書店の隆盛が大きく関係するでしょうね。そしてネット書店の隆盛は,むしろ中小出版社にとって有益な事だと思います。
 再販制度の無いアメリカでは,値引き販売されるのはベストセラー本であり,マイナーな本は値引きされていない。ネット書店のおかげで,むしろマイナーな本がクローズアップされて,消費者には買いやすくなっており,一方ネット書店は,値引き販売しないマイナーな本から大きな利益を得ている・・・。
 確かに再販制度がなくなれば,大きな書店はともかく,小さな書店は価格を下げる事ができずに経営が苦しくなる可能性は大きいです。しかし,消費者には影響が無いという事だと思います。
 なんだか書籍の再販制度の話は,農業とTPPの話と同じような構造に見えてきます。昔とは状況が変わってしまって,今のままでは発展が難しいのに,昔のままのシステムを必死になって守っている・・・。(農業は後継者がいないなどの理由で,今のシステムを維持してもこのままではじり貧です。)
 昔のシステム(出版社→取り次ぎ書籍専門商社→全国に存在する書店)を維持する事に必死にならず,ネット書店の存在を考慮し,消費者の利益を考え,流通の変化もいとわない様な意識にならなければ,むしろ大元の出版業界さえも,存立が難しくなっていってしまうと思います。

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