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2015/02/21

麻耶雄嵩の「化石少女」(ちょっとネタバレ)

Kasekisyojo

 麻耶雄嵩の「化石少女」を読了しました。
 本格推理短編集・・・,といっていいのでしょうか。ちょっと歯切れが悪いのは,全体に対するエピローグが付いている事(短編集なのか?),それに各短編は少女名探偵による解決が行われるのですが,その結論をワトソン役の少年によって否定されて終わるという構成(ワトソンに推理を否定されて終わる名探偵ってどういう事?)である事によります。
 舞台は京都の名門私立高校。そこの部員がたった二人だけの古化石部の二年生の部長である神舞まりあともう一人の部員である一年生の少年,桑原彰が主人公です。古化石部といっても,恐竜や原人などというものではなく,アンモナイトやクモヒトデやアロマカリスなどを専門とする部で,5名以下の部はクラブ活動を認めないという規定に従って廃部寸前に陥っています。女性部長の化石に対する情熱は大したものですが,何分にも思い込みが激しく,結構場当たり的で,かなりいい加減なお嬢さんです。古化石部を廃部に追い込もうと画策している(とまりあが思い込んでいる)生徒会執行部メンバーを目の敵にしていて,クラブハウスなどで起こる事件(この学校ではなぜか毎月生徒の殺人事件が起こるwww)の犯人を先ず生徒会メンバーの誰かに想定して,そこへ向けて論理を組み立てていくという探偵法で犯人を指摘します。物語の語り手で,成績優秀な古化石部員の少年ワトソン,彰君は,各短編の最後にその推理の齟齬を指摘して,読者をも煙に巻いて終わるというのが毎回の趣向です。
 各短編は本格推理味もたっぷりで,なかなか楽しい短編集でした。
 本格推理小説ファンとしては,各編で名探偵の推理が否定されて終わるというモヤモヤがなんとも???なのですが,最後のエピローグ,夏休みを利用して石川県の白山へ化石採掘に出かけたときに起こった事件「自動車墓場」事件について,あとでワトソン少年が一人で現場に行き,化石部長の推理がまちがっていなかった事を確認して,この事件の推理が正しかったのならば,他の事件の推理も間違っていなかったのではないか・・・,と考えるところで,このモヤモヤもいくぶん薄れるのではないでしょうか。
 まあ本格推理を本格推理のまま終わらせない,麻耶雄嵩らしい短編集でしょう。

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