2010/01/30

アップルが「iPad」発表

Ipad 昨日に続いて,アップルネタです。1月27日,米アップルはタブレット型コンピュータ「iPad」を発表しました。
 タブレット型コンピュータとはいえ,アメリカで市場が増大している「電子ブック」の閲覧が狙いのようです。電子ブックコンテンツについては,既に出版社5社と契約し,iBookStoreで販売するとのことです。
 テレビで発表の様子を見る限り,画面は普通の液晶ディスプレイである様で,それが残念です。もう6年ほど前,このブログで,「光っているというのが,目にやさしくないように感じます。しかし,もし光らないディスプレーができたら,たとえば,まるで紙のような感触の柔らかな素材の上に,インクのような文字が現われるディスプレーができたら,それは本に取って代わるかもしれない」と書いたのですが,いまでもはやりそう思います。電子インクのディスプレーができていますが,まだカラー表示や価格に問題がある様で,電子ブックは私にはまだ時期尚早です。

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2010/01/28

ある死亡広告・・・北村 鴻氏

Kitamura_2 旅先で,仕事を終えて新聞朝刊を夜開いて,社会面の下の方の小さい記事をみて,ショックを受けました。
 それは,死亡広告だったのですが,その主は推理作家,北森 鴻氏。まだ若手だと思っていた北森氏が,まさか亡くなるとは思ってもみませんでした。享年48歳,命日は1月25日。心不全だという事です。
 北森氏の作品が好きで,このブログでもいくつかの作品を紹介しました。あといくつ,読んでいない作品があるだろう・・・。「冬狐堂」宇佐見陶子,「雅蘭堂」主人,越名集治,民俗学者,蓮丈那智助教授・・・これらの名探偵ともまた,永遠のお別れとなってしまいました。。
 とにかく,ご冥福をお祈りします。残念で残念でたまりませんが,そうするしかありません。

<このブログで紹介した,北森鴻作品>
「北森鴻の推理小説にはまっています」
「北森 鴻「狐闇」を読みました」
「北森 鴻の『瑠璃の契り』」
「北森鴻『メビウス・レター』」

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2009/12/11

エドワード・D・ホックの「サム・ホーソーンの事件簿VI」

Sam エドワード・D・ホックの「サム・ホーソーンの事件簿VI」を読了。
 サム・ホーソーンシリーズもこの第6巻で最後です。著者のホックが,昨年亡くなってしまったからです。最後の12篇が収められています。
 ここで描かれているのは,日本の真珠湾攻撃から始まる戦時下のアメリカニューイングランドの田舎町,ノースモントで起こった不可能犯罪を解決するホーソーン医師の活躍です。この田舎町,のどかそうなのに異常に不可能犯罪が多発する町です(笑)。
 ホックの他のシリーズにも言える事ですが,第1巻から第6巻まで,作品のクウォーリティーが変わらないのがすばらしい。
 ミステリー以外のところで,第二次世界大戦下のアメリカでガソリンの配給制が始まり,あまり車を使えなくなった事や,金属類の供出の話などが描かれ,戦時下といえども当時の日本に比べて豊かだったと思っていたアメリカでも,そんな事が行われていたという事を初めて知りました。

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2009/12/06

「科学」「学習」の休刊

Furoku_2 学研の学年別学習雑誌「○年の科学」と「○年の学習」が,今年度末までに休刊となる事が発表されました。
 私も,ある時期「学習」を,またある時期は「科学」をとっていました。今回の発表について,「雑誌の休刊」という言い方がされていますが,実際のところ,私の目当ては付録でした。今の小学生は,あの付録を欲しいと思わないんだろうか?

(写真は6年の科学の付録,電気メッキ実験セット。学研のホームページより。)

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2009/11/03

京極夏彦「邪魅の雫」

Jyami  このところ京極夏彦づいているのですが,長編「邪魅の雫」を読了しました。長い京極夏彦の長編の中でも,新書判で800頁を越える大長編です。
 終戦から8年後,昭和28年の東京下町で,続いて神奈川県の湘南でおきた毒殺事件。さらにひき続いて毒殺事件が相次いで,刺殺事件1件を加えて,全部で6件の事件が起きます。毒殺事件は,当初から警察上層部により連続殺人事件と断定されて,東京と神奈川の警察の合同捜査が行われます。連続殺人と判断した理由は,何故か捜査員に伏せられています。そこに何か秘密があるらしいのです。
 一方,おなじみの薔薇十字探偵社の見習い探偵,益田は,見合い相手の調査を依頼されます。しかもその対象は,探偵社の榎木津の見合い相手。3件の榎木津探偵の縁談がことごとく相手から断られたのをいぶかって,榎木津の従兄弟が益田に調査を依頼したのです。益田は榎木津に内緒で調査を行いますが,やがて,毒殺事件の被害者の中に,榎木津の見合い相手が含まれている事がわかります・・・。
 益田や関口をはじめ,中禅寺や彼らと親しい刑事達を含めた薔薇十字探偵社サイドの動き,被害者側の動き,誰とは分からないように記載された犯人側の動きやモノローグが交互に語られ,それがだんだん各々交錯していって,最後に「京極堂」中禅寺がズバリ謎を解く。
 この大長編,登場人物も多く,しかも単純にシーケンシャルに事件の流れを追うのではなく,前述のように多元的に交互に様々なグループの出来事を述べている為,誰が誰だか分からなくなってしまう。そこで,何回も前に戻りながら,登場人物を頭に入れながら読み進んでいった為(まあ,読み込んだといってもいいでしょう),読了までにえらく時間がかかってしまいました。しかしそのおかげで,最後の中禅寺の謎解きでは,あれが伏線になっていたのかという部分を的確に思い出す事ができました。しかし今回の中禅寺の謎解きは,単なる「謎解き」であって,「憑き物落とし」ではないんですね。そこら辺がもう少し工夫できていればと思いました。
 今回の榎木津探偵は,自分自身に関係ある事件という事で,いつものように天衣無縫,自然体とはいかず,彼にしては屈託ありげなのがちょっと残念に感じました。

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2009/11/01

「小学五年生」,「小学六年生」が今年限りで休刊

5nennsei 小学館の学年別雑誌「小学五年生」と「小学六年生」が,今年度末から休刊するそうです。
 私の小学生時代を思い出してみると,「小学○年生」を時々買っていたのですが,それもせいぜい4年生までだったように思います。5,6年生では,学研の「科学」を買うようになり,「小学○年生」からは離れてしまったんです。
 「小学○年生」にしても「科学」にしても,楽しみは本誌よりも付録でした。「小学○年生」の付録には,まめ知識を書いた小冊子の様なものがよくついていて,結構好きでした。
 まあ,このような雑誌が休刊するのも,時代ですね。今の小学5,6年生は,ゲームなど時間をつぶす方法があるし,塾などで結構忙しいですからね。本ならばともかく,雑誌を読むという時間を取れなくなったんですかね。

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2009/10/23

京極夏彦の「百器徒然袋---風」

Kaze_2  京極夏彦の「百器徒然袋---雨」につづいて,「百器徒然袋---風」を読みました。
 本書も,中編3編が含まれていますが,初めの作品がいわば宴の支度,あとの2篇はその初めの事件がきっかけになって榎木津探偵に恨みを抱いた勢力が起こした,榎木津に対する謀略を描いています。榎木津に対する謀略といっても,被害に遭うのは,前作「・・・−雨」で榎木津の薔薇十字探偵社に事件を依頼に行ったばかりに次々に事件に・・・というより榎木津に巻き込まれる「僕」こと電気工事の図面引き,本島であり,探偵社の社員である益田です。
 最後には,京極堂の謎解きと榎木津の大暴れによってめでたしめでたしになりますが,いやあ,おもしろかった。謎とドタバタといつもの雰囲気を取り混ぜて・・・,通常膨大な長編であるこのシリーズが短くなったらこうなるという,それがわかっただけでもめっけもんでした。

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2009/10/19

京極夏彦の「百器徒然袋---雨」

Kyogoku 京極夏彦の「百器徒然袋---雨」を読みました。
 おなじみの「京極堂」中禅寺や榎木津,木場修や関口などの面々が登場する中編集。3つの作品からなる中編集です。3作品とも,薔薇十字探偵社に姪の強姦事件を相談に来た事をきっかけに,なにかと彼らの事件に巻き込まれる「私」によって語られます。そして全て,何らかの相談が薔薇十字探偵社へ持ち込まれる事から話が始まります。したがって,今回は中禅寺よりも榎木津の活躍が目立ちます。ミステリーというより,どちらかというと,困っている人を助け,悪をやっつけるという話で,最後には榎木津をはじめとするおなじみの面々によるの大立ち回り,というよりドタバタで締めくくられます。そういう意味では,「謎」よりも「最後に悪人がどうやっつけられるのか」という興味と最後のカタルシスで読ませる作品といえるでしょう。
 さあ,この次は,本書の続編「百器徒然袋---風」だ。

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2009/10/16

後藤 均「ゴルディオンの結び目」

Gorudion 先日紹介した後藤均の「写本室の密室」「グーテンベルクの黄昏」に続いて,同じ作者の「ゴルディオンの結び目」を読了しました。
 第二次世界大戦直後を舞台にした「写本室の密室」の登場人物たちが,1968年のドイツで新しく開館する美術館の開館式に集います。その開館式で,1つの襲撃事件と2つの殺人事件が起こります。「写本室の密室」の登場人物,星野画伯の娘であるエリカと夫の富井教授もその場に招待されて居合わせますが,結局その犯人は分かりません。そこでドイツ当局は,その時と同じメンバーをある個人所有の美術品鑑賞ということで地中海のマルタに集め,犯人探しを始めます。しかしそこで,さらに4件の殺人事件が起こります。密室状態のそのマルタの小島を舞台にして起こった殺人事件に対する,富井教授とエリカによる犯人探しの物語が本書の主題です。
 これまでの2作は,星野画伯の手記を読んだ富井教授が謎解きを行いますが,謎の解明が関係者の述懐などで行われ,必ずしも推理によらないために本格推理小説味を薄くしていました。ところが本書では,富井教授と妻であるエリカの推理が存分に行われ,ずっと本格推理小説っぽい作品になっています。現代が舞台の謎解きであり,前2作のような歴史推理の面白さはありませんが,本格推理ファンとしては満足しました。

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2009/10/12

大崎 梢「配達あかずきん」

Haitatsu 久しぶりに創元推理文庫を読みました。大崎梢著「配達あかずきん」は,「成風堂書店事件メモ」という副題の付いた短編集です。
 この作品は,東京郊外の駅ビルの中にある書店「成風堂」が舞台です。ここの店員である杏子とアルバイト店員の多絵の二人が主人公。杏子の遭遇する事件を,大学生の多絵が解き明かします。事件といっても,殺人事件は起こりません。書店のディスプレーがスプレーで汚された事件,入院患者への贈り物の5冊の本を,的確に選んだ書店員,しかし,そんな書店員はこの店にはいない。ではいったい誰が?というフーダニット,書店で買ったコミックを読んで失踪した常連客の事件,本を使った暗号事件などなど。小さな事件かもしれませんが,一つ一つに謎があり,その謎的なサスペンスはなかなかのもので,どの話も興味深く読む事ができます。入院患者への贈り物の事件などは,書店ならではの「見えざる人」テーマの作品であり,そのテーマの歴史に新たな一頁を加えるものです。どの作品もハッピーエンディングであり,読後感がとてもいい作品集です。
 本書はこの作者の処女作らしいのですが,この調子ならば,この作者の作品をもっと読んでみたい。しかし,文庫本になっているのは,まだこの一作だけらしいんですね。

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