2017/06/11

ドラマ「貴族探偵」って,おもしろくありませんか?

Kizokutantei

 フジテレビの月9ドラマ「貴族探偵」。視聴率はせいぜい多くても8%程度で,不調フジのドラマの象徴の様になっているようです。
 麻耶雄嵩の「貴族探偵」については,以前このブログにも書いた事がありますが,おもしろい本格推理小説短編集です。ドラマの様な女探偵が出てくるのは,第二短編集「貴族探偵対女探偵」です。「貴族探偵」は「本格ミステリ・ベスト10」の2011年の第6位,「貴族探偵対女探偵」は2014年の第1位の作品です。
 さて不振だと言いわれるこのドラマですが,私は世論に逆らってwww,面白く見ています。原作のままでは貴族探偵に出番がなく,せっかく嵐の相葉雅紀がでているのに活躍の場がないので,ドラマでは大分貴族探偵の役を盛っているようです。それがドラマ性を薄くしており,ミステリードラマとしては貴族探偵登場場面が余計だと思う事もあるのですが,それでも全体的には程々に上手く盛っていると思います。
 演技がどうのこうのという話が巷にはありますが,この役,相葉雅紀だから保っているというところがあります。演技が必要なのではなく,スター性が必要な役なのです。まあ,ミステリー好きの知人(おじさんとおばさん達ですが)の間では,松本潤の方がよかったのではないかという話もありますが・・・。私は相葉雅紀の貴族探偵は,なかなか雰囲気が出ていていいと思います。
 他の出演者については芸達者が多く,推理過程での雇い人による再現ドラマはさすがです。本格推理小説の種明かしをこのような形で見せるというのは,なかなかの発明だと思います。
 原作者麻耶雄嵩は,自分では推理しない探偵を水戸黄門から思いついたそうですが,水戸黄門も活躍は家来の方ですからね。そのつもりで見ると,このドラマの見方も変わるでしょう。
 ところでこのドラマ,8%程度の視聴率なのですが,この視聴率って悪いのですかね。相葉雅紀の前作ミステリードラマ「三毛猫ホームズ」は2作品が作られてどちらも十数%の視聴率の成功作ですが,私はむしろ貴族探偵の方が面白いと思います。

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2017/06/10

今更ながら,「シャーロック・ホームズの事件簿」

Sh_jikenbo

 先週書いた様にkoboを買ったので,「シャーロック・ホームズの事件簿」を仕入れました。
 この短編集は,コナン・ドイル著,シャーロック・ホームズの最後の短編集です。この短編集は,第5短編集「シャーロック・ホームズ最後の挨拶」の「最後の挨拶」でホームズの引退を描いた後,さらに発表された短編を12編集めた第5短編集となります。
 いつものワトソン博士の語りではなく,ホームズ自身が語った作品,第三者目線で記述された作品など,異例の作品も含まれています。
 この短編集,以前読んだ印象では,推理小説としてはトリック型というよりプロット型で,読者はホームズになじんでいるという前提で彼の活躍を描いているという印象だったのですが,それでも事件の経緯に謎があり,どの作品も思いのほか面白いものでした。中には,第1短編集「シャーロック・ホームズの冒険」に収められても違和感ないトリッキーな,「ソア橋」事件も含まれています。
 この短編集は創元推理文庫で長らく発売されていませんでした。そのために,私にとって継子扱い的な本になっていて,読んだのも他の短編集が中高生の頃であったのに対して,ずいぶん後になってからでした。読んだ時代(世代)が異なる事から,本の印象が他の短編集とはずいぶん違っていて,それほど面白いという印象はなかったのです。しかし今回それほど期待せずに再読して,他の短編集と同じくらい面白いじゃないかという印象に変わったのが,今回の再読の成果です。

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2017/06/08

うんこ漢字ドリルが200万部突破だとか

Fuurin 昨日書店に行ったら,入口に大々的に漢字ドリルがディスプレイされていました。「うんこ漢字ドリル」です。
 学習ドリルが大々的にディスプレイされるのは前代未聞だと思ったら,このドリル,200万部を突破するベストセラーらしいですね。うんこ漢字ドリルだけでなんで大々的にディスプレイできるのかというと,学年別になっていて,6冊あるからです。
 周囲の知人に聞くと,学校でも評判になり,小学生の息子が自らやりたいと言って買ってくれとせがみ,あっという間にやり遂げてしまったそうです。
 すべての例文に「うんこ」を使うというアイデア一つで小学生の心をつかんだ練習ドリル。他の教科にも応用できないもんでしょうか?
 ウンコについては,結婚したての頃,わたしが「うんこ」と言うのに対してカミさんは「うんち」派であり,どっちが上品かという事で論争になった事があります。それをこのブログに書いたのですが,もうそれは14年前になってしまいました。
 さらにウチの風鈴,下の娘が昨年買ってきたものですが,写真の様な風鈴です。風鈴など買いそうない娘ですが,「あまりにもウンコに似ていたから・・・・・・」という動機で買ってきました。
 ウンコというのはかように偉大なものなんですね。

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2017/06/02

ネット書店・電子書籍のアマゾンが,ニューヨークに書店を開店

Book_store アマゾンがニューヨークにリアル書店を開店させたというニュースがありました。5月24日,現地時間の10時開店だったそうです。昨年,シアトルにリアル本屋を開店させ,ニューヨークにも今回の書店と他に1店舗開店させる予定だそうで,全米で2〜300店くらいの規模で展開する様です。
 ネット書店・電子書籍のアマゾンがリアル書店を開店させる事に奇異な感じを受ける方がいる様ですが,私はそうは思いません。
 リアル書店では,何か面白い本はないかなとぶらっと入って本を手にとって,面白そうだと思って買う。・・・・・電子書籍で。
 だからリアル書店は商売にはなりません。だから,電子書籍販売やネット書店を開いているアマゾンが店を開くのは理にかなっているのです。
 他で儲けているからできるリアル書店。ネット書店のショーウィンドウとしての存在。リアル書店にかかる費用は,アマゾンにとってはむしろ「宣伝経費」でしょう。
 専業のリアル書店は先細るばかりです。

(イラストは,フリーイラスト素材サイト「いらすとや」より。)

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2017/06/01

kobo端末を買った

Kobo 電子書籍端末を買いました。「kobo aura H2O Edition2」という端末です。
 Kindleを既に持っている私が何でkoboを買ったか?
 まずこのkobo端末,画面がkindleより大きいのです。私が持っているkindle画面は6インチサイズ,koboは6.8インチサイズ。コミックス版とほぼ同じサイズでマンガが読めると宣伝されている事から,ちょっと苦労していた画面が小さいkindleでのマンガ読みが解消されるかなという期待です。これは3月に発売された「となりの関くん第10巻」を早速買ってkoboで読んでみて,画面の大きさを実感しました。普通にコミックとさほど遜色なくマンガが読めます。
 次に画面が電球色にできる事。kindleにしろkoboにしろ,電子ペーパーを使っているので透過光照明ではなく,画面の上からLEDで照らす反射光照明方式ですが,夜寝る前に推理小説を少しづつ読むという英国人のような習慣がある私は,暗いベッドでの読書の時に電球色で読めるというのはメリットになりそうだと思ったのです。koboでは,電球色具合(照明のオレンジ色度)を自在に変化できるのですが,今のところ確かに具合良さげです。まあ長期間使ってみなければ分からない事かもしれません。
 さらに防水仕様である事。水深2mの水につけて60分間の防水が保証されています。お風呂につかり,長湯をしながら本を読むというのは日本人ならではの入浴習慣だと思いますので,アメリカ産のkindleではまず採用は無理でしょう。スマホを防水にしたのは日本が初めてで,これも日本人の入浴習慣によるものだと思います。koboはカナダの会社ですが,楽天が買収した事から日本仕様が実現しました。私は毎週肩こり背中こり首筋こりのためにマッサージに通っていますが(これが保険適用で30分300円。一桁間違えたわけではありませんよ。300円です。),この整骨院で凝り返しの予防にはゆっくりお湯につかるのが一番と聞いて,お風呂の友を求めていたのです。
 そんなこんなでkoboを購入しました。当初kobo端末内のストアから本を買う事ができませんでした。買う本を決めて購入ボタンを押すと,新規請求先の追加(だったかな?),新規クレジットカードの追加というボタンが現れ,そこに正確に住所とクレジットカード情報を入れてもエラーになってしまうのです。そこでkoboのインフォメーションに連絡して対応を教えてもらい,今ではkobo端末から本を買いまくる事ができる様になりました。
 要するに,楽天の電子ブック販売サイトには,「 楽天Kobo電子書籍ストア」というのと「楽天Koboイーブックストア」という2種類があり,kobo端末から購入するには後者,「楽天Koboイーブックストア」の方にPCでアカウント登録する必要があるという事です。まあ,前者「 楽天Kobo電子書籍ストア」で普通に楽天のアカウントでPCを使って本を購入し,kobo端末をそれに同期すれば,koboに本が流れ込んできますから,面倒なだけ電子書籍が買えないわけではありませんが。
 難点はkindleに比べて多少もっさり感がある事ですかね。まあページめくり等では全く遜色ありませんので,それほどの難点ではありません。

(写真は楽天のサイトより。電球色画面機能にちなみ,セピア色に加工しましたwww。)

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2017/05/21

江神次郎の洞察

Egami_dousatsu 英都大学推理小説研究会の部長,江神次郎を名探偵とする学生アリスシリーズ。学生アリスシリーズは長編5冊,短編集2冊で構成される予定で,現在までに長編4冊,短編集はこの1冊が出版されています。この作品は,短編集2冊のウチの1冊というわけです。
 9作品を収録する短編集。アリスが英都大学に入学し,推理小説研究会にスカウトされて江神部長,望月・織田の両先輩に出会い,やがてマリアが入部する。季節を追って学生生活で起こったちょっとした不思議を題材にした推理小説。殺人事件はありません。
 だいたい普通の学生生活で殺人事件に出会う事はほぼあり得ないですね。学生アリスシリーズの長編では殺人事件,しかも閉ざされた場所での連続殺人事件が扱われますが,この短編集では,普通の生活を行なっている学生の周りのちょっとした事件,推理小説研究会という性格から彼らがちょっと推理側に寄った生活をしている事で出会った日常事件,そんな感じで短編が成り立っています。
 本作に続く第二短編集が待ちどおしいですね。
 ところでこの本は単行本なんですね。Kindleで本を読む様になって,単行本とか文庫本とか関係無くなったので,値段を含めてあまりそういう事は気にしなくなってしまい,買う時も欲望のままにボタンをポチット押すだけなのですが,改めて値段を見てみると明らかに単行本の値段でした。
 まあKindleでは,紙の本に比べて21%引きの値段になっていますが・・・・・。
(追伸:調べてみたら,5月29日に文庫本が発売されるらしいですね。現在はアマゾンで絶賛予約受付中の様です。文庫本版Kindleは未だ発売されない様ですが。)

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2017/05/12

有栖川有栖の「双頭の悪魔」

Soutou

 有栖川有栖の「双頭の悪魔」。学生アリスシリーズの長編第三作です。
 四国の山中の芸術家村とその対岸の村。鉄砲水で二つの村をつなぐ橋が落ちて芸術家村が孤立します。英都大学推理小説研究会のメンバーも,芸術家村に江神部長とマリア,対岸の村にアリスと望月,織田の両先輩がいて,互いに行き来ができない状態になります。その二つの村で起こる殺人事件,さらに芸術家村では第二の殺人が・・・。
 推理小説研究会の面々が二手に分かれてしまうのは「なんだかな〜」と思っていたのですが,読み終わってみると,必然性があったのですね。芸術家村事件での江神部長の名探偵ぶり,マリアのワトソンぶりに対して,対岸の村での事件に対するその他三人のワイワイやりながらの推理も楽しいです。
 三つの殺人事件に対して三つの「読者への挑戦状」が挿入されています。
 互いに連絡できなくなった二つの村の事件ですが,事件の全体の動機の構造は一言で言い表せるものです。その一言が江神部長から発せられたとき,やはり「そうだったのか・・・」と思いました。
 山中,村,孤立,洞窟,読者への挑戦状・・・,本格推理小説のアイテムがちりばめられた作品です。

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2017/02/13

電子書籍の購入は,作家の応援にならない?

Ebook ネット上に,「電子書籍の購入は作家の応援にならない」という記事があって,それは何故?と思って記事を読んでみました。
 その理由は,市場規模の点から,現状電子書籍は出版関係者の眼中に入っていない。したがって,電子書籍の売れ行きは続刊の出版決定に寄与しないのだという話でした。「だから紙の本を買って!」といっているのですが,私はむしろ「もっと電子書籍を買って,出版関係者が電子書籍の方を向くようにして!」という訴えかけをすべきではないのかとおもいます。
 「書籍の刊行点数が近年過剰に増加していることから,発売直後の売上げが伸びなければ書店に置いてもらえない。」と記事で言っており,だから「発売直後の売上げが大事なのだ」という事なのですが,それならば電子書籍を買って欲しいという事になるのではないですかね。
 日々の暮らしがかかっているのだから,目先の事にこだわる気持ちも分かるが,ちょっと目先の事に拘泥しすぎのようにおもいます。
 発売直後の売上げが大事というのは,「本が長く売れる事は作家にとって意味がない」といっているように聞こえます。それはおかしい。その本に長い間世の中に受入れられるのは,作家冥利に尽きるのではないかとおもいます。
 出版社が出版当初の売上げしか興味が無いのは,古本屋の存在があるからとも考えられます。出版社にとって,出版当初しか本は売れない,後は古本屋から購入される・・・・・。それならば出版社も電子書籍に注目すべきでしょう。電子書籍は印刷の必要がなく,一回社会に出せば放っておいても売れるときは売れる。ロングテールでの需要に応えるのにもってこいの存在です。電子書籍の隆盛は,出版社と作家にとって,古書店から本の販売を取り戻すチャンスでもあります。
 古書店は無くなっていく? いわゆる新古書,比較的新しい古本は廃れるでしょうが,古書店らしい古書店は残り,おそらく古書店同士の競り市は残るでしょう。昔は古書店といえば,そんな店だったのです。ブックオフ以前の時代への回帰です。
 しかし出版関係者って,どうしてもこれまでの紙文化から離れられないらしい・・・。
 しかし出版関係者が紙の本にこだわるのは,出版業界独特の経済的な理由もあるらしいのです。紙の本の流通過程での取次商社の金融機能について,某サイトに掲載されていました
 出版社が新刊の印刷をすると,売れる売れないに係わらず取次ぎ商社から印刷部数に応じてお金が支払われる。そして結局書店から返本された時点で精算され,売れ残った分は出版社が引き取る事になります。しかし出版してから精算するまでの間,本来の売れ行き以上のお金を出版社が握る事になります。そのお金で次の出版を行えるわけで,そんな自転車操業的な事が行われているらしいのです。まあいってみれば,ある期間出版社は取次ぎ商社から一時的にお金を借りている状態が生まれるわけです。その金融で出版社が回っているという事で,電子書籍ではそれができないのです。
 この不思議な金融の仕組が,出版社が紙にこだわる事につながっているらしいのですね。こういう話を聞くと,何と因果な業界なのかと思います。そんな仕組みをありがたがる事によって,紙の本からは離れられないし,ある意味電子書籍を敵視する事になるのだし,ロングテール部分(長期間の需要)を古書店に逃しているのです。

(写真は,フリー写真素材サイト「足成」より。)

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2017/02/01

ブックオフは2期連続で営業赤字

Bookoff 「ブックオフ、2期連続で営業赤字に 書籍など販売低調の苦境」という記事がネット上に載りました
 ブックオフは,昔はよく利用していたのですけれど・・・。
 昔は古本でしか手に入らなかった,少し前に出版された本も,最近は電子書籍で手に入ることもあります。すでに絶版になっている古本も,ネットで検索してネット上の古書店で買う方が確実に手に入ります。 そんなこんなで,最近はすっかりブックオフともご無沙汰になってしまいました。
 ブックオフもネット上に古書店を持っていますが,店を整理して古書店兼倉庫として使う程度を残し,ネット中心になっていくのではないか? まあ古本の買取りに,今の店に代わるシステムが必要なのかもしれませんが。
 しかしそれでも,出版社が古い本を積極的に電子化するようになれば,やがてそちらに持って行かれるかもしれません。逆に言えば,古い本を電子化する事で,出版社は古本需要を取り込めると思うのですが,どこかの出版社でまずやってみないでしょうかね。

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2017/01/09

岡田秀文の「伊藤博文邸の怪事件」

Kaijiken

 岡田秀文の「伊藤博文邸の怪事件」を読みました。
 明治の元勲,伊藤博文邸で起こった殺人事件。新たに伊藤家の書生となった二人のうち一人が語り手,もう一人が探索します。
 最後まで読めば,サプライズエンディングがあり,見事な推理小説であったと思います。
 しかし,どうも途中の謎的な興味が薄い。完全な密室ではないが,監視者等を考えると密室状況といえる殺人事件を扱っているものの,これが密室事件で一番やってはいけない方法で解決されています。まあ密室がメインではないものの,肩透かしといえるでしょう。
 クリスティーはありふれた屋敷の殺人事件を扱っても,途中の謎的サスペンスは半端なく,どの作品も謎好きな私好みの推理小説になっていますが,それとは逆の行き方ですね。
 最後のサプライズエンディングはこれまでも前例があるもので(例えば近年では森博嗣氏の長編),「ああ,あの趣向だったの」という感じで,サプライズエンディングとして感心するところまではいかない。
 立派な推理小説ではありますが,私のような謎好きには今一歩といえましょう。

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