アメリカでBSE
ついにアメリカ牛で,狂牛病の牛が見つかってしまいました。
いままでの安全神話が崩れてしまったわけで,シェアが大きいだけに(日本で食べられる牛肉のうち,1/3はアメリカ産だそうですね),影響も大きいでしょう。信じきっていたアメリカ牛の狂牛病発見は,今は安全だといわれているオーストラリア牛(オージービーフ)も,いつか狂牛病が発見されるのではないだろうかとの懸念を抱かせるに十分です。アメリカ牛もオージービーフも,BSE感染地域であるヨーロッパから,肉骨粉など飼料を輸入していないから安全だといわれていたのですが,BSEの感染経路が,完全には解明されていない以上,ヨーロッパから飼料を輸入していないから安全だとは言い切れないはずで,食肉にする際に一頭一頭感染していないことを検査する事,すなわち「全頭検査」こそ,BSE牛肉を市場に出回らせないためにとりうる唯一・最良の方法だと思います。アメリカ牛もオージービーフも,全頭検査していませんが,どうしても牛肉が食べたかったら,全頭検査を行っている和牛を食べるのが一番安全なわけで,以前と逆の状態ですね。報道では,和牛やオーストラリア牛肉の価格高騰が心配されるなどといっていましたが,オージービーフはともかく,和牛は価格が高騰するかもしれません。
BSEでいやなのは,人がBSEにかかった牛を食べることによって発症するといわれている新変異型クロイツフェルト・ヤコブ病の潜伏期間が長く(10年くらい),食中毒のように食べてすぐ症状が出るというものでないところで,そこがなんとも不気味です。
ただ,現在のところ,牛のBSEと人の新変異型クロイツフェルト・ヤコブ病との関連は,疑われている段階で,はっきりしたものではなく,発病確率も非常に小さいらしいのですが,自分がその小さい確率の中で,大当たりにならないとも限らないのですからね。
前回の和牛のBSEのときは,牛肉全体の消費量が減り,焼肉屋さんが大変な目にあいましたが,今回はどうなるのでしょうか。一回大騒動を経験してしまうと,案外日本人は,次から平気になってしまう(慣れてしまう?)ところがありますから,前回程の騒動には,ならないかもしれません。
BSEと人の新変異型クロイツフェルト・ヤコブ病の関係について,参考に次のサイトを紹介します。横浜市衛生研究所のホームページです。
http://www.eiken.city.yokohama.jp/infection_inf/madcow1.htm
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