パスポート更新で住基ネットを考えた
昨年8月に本格稼動した住基ネットは,最近ではあまりマスコミでも話題にならなくなりましたが,私のパスポートの有効期限が近づき,更新する事になってはじめて,住基ネットのことを意識しました。パスポートの更新では,普通,住民票の提出が必要ですが,住基ネットの利用者は,これが不要なのです。
ただ,そうはいっても,住基ネットがあまり便利だとは思いませんね。何しろ,パスポートの更新に限らず,住民票が必要な事態なんて,1年に1回あるかないかで,住民票の取得が不要になったからって,便利になったとは思えません。まあ,住基ネットは住民側には,それほど便利なものではないと思います。また,これによって,国や自治体のコストが減ったのかどうかも疑わしく(住基ネットの運営で,かえってコストが増えたのではないの?),ただただ個人情報がもれる可能性や悪用される可能性が増えただけという気がします。
住基ネット反対意見の中に,個人情報の一元化により,国による国民統制に使われるからというのがありますが,住基ネットに入力されている事項程度の事は,現在でも,政府や自治体のコンピュータに,バラバラとはいえ入力されている事で,現在でも政府が調べようと思えば簡単に調べられることですから,住基ネットができたからといって,事情がそれほど変わったとは思いません。心配なのは,個人情報の悪用です。これまでも,公務員による不正使用があったし,同様のシステムが以前から動いている韓国などでは,住民番号の乗っ取り(犯罪者が他人に成りすます)事件なども起こったといいます。外部から進入できない安全なシステムであることはもちろん,データを引き出した人を,そのデータの当人に開示するなど,十分な対策が必要だと思います。
| 固定リンク
コメント