フィルムの延命策
イーストマン・コダック社では,従来型の35ミリフィルム式カメラの利用客がセルフサービスでスピード現像できる新装置を,年内に米国や欧州で展開することを決めたそうです。詳細はわからないのですが,「販売」でなく「展開」と言っているところを見ると,個人用の現像装置を販売するのではなく,ショッピングセンターや写真店などに,セルフ式の現像装置を設置するということのように聞こえます。
これは,デジカメに押されている従来式フィルムの延命策だと言うことですが,ちょっと難しいのではないでしょうか? 欧米の事情はよく知りませんが,日本に置き換えて考えてみると,デジカメでもあれだけの画質が得られるようになり,2万円を切る安いプリンターでも結構見栄えがする写真を簡単にプリントできるようになった現在,従来式フィルムの衰退はもう時代の流れとしか言いようがありません。
富士フィルムでは,ずいぶん前から,写真フィルムが将来なくなるであろうと考え,録音テープをはじめとする磁気記録媒体を手がけてきて,現在ではCD-RやDVD,デジカメにも進出していますが,慧眼だったわけです。
私自身の経験では,デジカメで撮った写真は,パソコンで見ることがほとんどで,特別に他人に配布する場合以外には印刷することもありません。スピード現像装置がどのくらい簡単に扱えるのかわかりませんが,現像という過程が入るフィルム写真は,少なくとも個人が使うスナップ写真の世界では,もう過去のものと言っていいのではないでしょうか?
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