3年目の911
3年目の9月11日がやってきました。
もう3年もたつと,そのときのテロの真実に迫るなどというキャッチフレーズで,「実は,あの事件は,アメリカ自身が起こしたものだ」などという番組が放送されるのではないかと思っていたら,案の定,そんな番組が放送されました(ビートたけしのこんなはずでは<TV朝日系>)。まあ,3年もたつと,3000人も亡くなり,それをきっかけに世界情勢が変わってしまった程の大事件も,おもしろくもいい加減なバラエティーのネタになるということですね。
この日以来,アメリカはテロとの戦いを旗印に,イスラム世界で戦争を引き起こしていますが,一向にテロはなくなる気配がありません。そもそもテロというものは,911のような大掛かりなものを除いて,それ程大規模な組織を必要とせず,ことによったら個人でも引き起こせるもので,いくらアメリカ軍の強大な軍事力をもってしても,撲滅することなどできっこありません。テロを撲滅したかったら,まずイスラム世界を経済的に豊かにすることでしょう。
まず貧しさがテロを生みます。貧しさへの不満のほかに,貧しく教育を受けられない若者が,カリスマのテロへの誘いに対し,よく考えもせずに,また考えるバックグラウンドの知識も無く,簡単に乗ってしまうこともあるでしょう。文字が読めなければ,新聞や本も読めませんからね。映像や言葉によるプロパガンダに,簡単に感化されてしまうのです。豊かになったらなったで,先が見えない閉塞感,世間に受け入れられない閉塞感,これら精神的な不安定さがテロを生みます。貧困と閉塞感は,テロへと誘うカリスマを信奉する人を作り出します。これら,根本的な状況を打開せずに,力でテロを抑えようとしたって,それは不可能な事です。力で抑えられるのは,大きなテロ組織だけで,組織が潰れても,その貧困と閉塞感にますます支配されたかつてのテロ組織の構成員たちは,小さな組織を作って,あるいは個人として,テロを実行するようになるだけです。
まず貧困をやっつけなくてはなりません。石油が出る地域が,本来貧しいわけがないのですから。その富が,その地域に住む人々に向かわないのがおかしいのです。
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