IBM,PC部門中国メーカに売却
5日の記事にも書きましたが,IBMはPC部門を中国レノボに売却することを決めました。
そうなって,さて,IBMブランドのPCは,これまでと同じように売れるのでしょうか? 特に,品質というかブランドにこだわる法人向けに強かったIBMですが,IBMマークをつけた中国メーカのPCを,法人がこれまでと同様に購入するかどうか,ちょっと疑問です。PC導入担当者は,故障したとき,「そんなのを選ぶから故障するんだ」といわれたくないでしょう。これまでは「IBM製でもこわれるんだから」と言い訳ができたんですがね。
テレビのニュースなどでは,IBMのPC部門が中国メーカになって,PCの価格下落がますます進行するといっていますが,そうでしょうか? 従業員が全員中国人に突然変わるわけではなく,当面,これまでのIBMの組織構造が引き継がれるのならば,そうそうPCの原価が下がるとは思えません。IBMの技術を手に入れたといっても,大型コンピュータと異なり,PCにはIBMだって,そんなに技術力を投入していないと思います。独自部品でなく,どこででも手に入る部品を使って組み立てているだけででしょう。むしろ,先進の技術力を投入しているのは,部品メーカのインテルであり,グラフィックアクセレレータメーカであり,液晶メーカなどでしょう? レノボグループは,まずい選択をしたような気さえしてきます。
とはいっても,PCの価格下落は時代の趨勢です。メモリーと同じように,各社が合同で合弁会社を作り,それが日本でただ一社のPCメーカーとなるのも,そう遠い将来でないのかもしれません。
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【2004年12月8日 ビズチャイナ】IBMのPC事業撤退には戦略があると見るべきだ。IBMは「法人顧客に高付加価値のソリューションを供給する世界的リーダーになる」と公言し、利益が見込めるシステム・ソリューション事業に特化していく方針を明らかにしている。IBMは「パワーマイクロプロセッサー」のオープン基本技術を普及、推進する企業連合「Power.org」をこのほど15社で結成。カスタマイズが可能なマイクロチップ「パワーマイクロプロセッサー」がいずれ中国のサーバー基準になると踏んでいる。
投稿: ビズチャイナ | 2004/12/10 01:33