合理的な検査方法は,全頭検査?
アメリカ産牛肉の輸入再開問題は,日米両政府が条件付きで来年7月までに輸入再開する方向で合意していますが,来日中のカリフォルニア州シュワルツネッガー知事も,「政府間の交渉で数カ月後に日本に牛肉を輸出できる」と期待感を述べています。
ところが,BSEの原因と言われている異常プリオンの発見で,1997年にノーベル医学・生理学賞を受けた米カリフォルニア大のスタンリー・プルシナー教授は,BSEには未解明な部分が多く,「何カ月以下は異常プリオンがないとはいえない。検査対象を月齢で区切ることには合理的な説明がつかない」「合理的な検査方法は全頭検査だと思う。消費者は全頭検査を主張すべきだ」と述べたとの事です。
おそらく,もう日米政府が輸入再開で合意してしまっているので,全頭検査を行っていない米国産牛肉の輸入再開が覆ることはないでしょう。しかし,上のように考えている学者がいる以上,疑わしい米国産牛肉は,販売を再開しても消費者は買わないのではないかと思います。
一方,国産牛肉についても,20ヶ月以下の牛について,BSE検査対象から外すという動きがあります。つまり,国産牛についてもBSE感染の心配があるのです。ただ多くの県が,BSE検査を継続すると言っています。これからは,多少高くとも,牛肉を食べたければ,BSE検査を行っている県産の,国産牛を買うのが,少しでもBSE感染のリスクを回避することになります。
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