温泉掘削現場で天然ガス火災
2月10日の夕方,東京都北区浮間1丁目の温泉掘削工事現場で,突然ガスを含んだ水が地上に吹き出して引火しました。付近の住民約40人が避難。一時10m程度の火柱が上がったといいますが,丸一日たった11日夕に鎮火しました。原因は調査中ですが, 穴の上には鉄塔があり,掘削口を照らすために設置された電球が割れていたといい,壊れた電球から引火した可能性が指摘されています。
天然ガスが原因の火災といえば,昨年7月に起こった,千葉県九十九里町のいわし博物館爆発事故を思い出します。この事故は,博物館の真下の地中から湧き出す天然ガスが,収蔵庫床下の基礎部分にある穴(直径約十センチ)や床の亀裂を通じて収蔵庫に充満し,そのガスに燻煙殺虫剤に着火しようとした際の火が着火したといわれています。
東京都北区と千葉県九十九里町。私の感覚からすれば,距離的にずいぶん離れている事故ですが,報道によれば,同じ「南関東ガス田」における天然ガス噴出による事故だそうです。南関東ガス田という名は,今回の事故が起こって初めて聞きましたが,千葉・茨城・埼玉・東京・神奈川の広大な地域にわたって,水溶性天然ガスが埋蔵されているらしい。南関東ガス田は,可採埋蔵量が3,750億m3にも達する(といわれても,ピンときませんが),わが国最大の水溶性天然ガス田だそうです。温泉は,首都圏のどこを掘っても出てくると聞いたことがありますが,天然ガスもそれに近い状態だったんですね。また,いわし博物館の事故も,遠くの特異な地域で起こった事故だと思っていたところが,案外私が住む近所でも起こる可能性がある事故だったわけです。ただ,地表近くからガスが噴出し,住民が田んぼの隅にガス井戸を作って使っている九十九里と違って,東京・神奈川はもっと深く掘らなければならないらしいですが。
今回の事故は,いわし博物館の事故と違って,けが人がいなかったのが幸いでした。ところで,このようなニュースは,首都圏以外,たとえば関西や九州では,報道されているのでしょうか?
南関東ガス田について,このサイトを参照ください。
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