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2005/02/06

英国牛狂牛病(BSE)から感染か,初の変異型ヤコブ病患者確認

 9月4日,厚生労働省は,国内で初めて変異型クロイツフェルト・ヤコブ病の患者が確認されたと発表しました。
 変異型ヤコブ病は,牛海綿状脳症(いわゆる狂牛病:BSE)の牛に蓄積された,異常プリオンを食べると感染すると考えられているもので,その潜伏期間は10年程度といわれています。死亡したのは日本人男性で,2001年に40歳代で発病し,昨年12月に,51歳で死亡しました。1989年に1カ月間ほど英国に滞在していることから,現時点では英国で感染した可能性が有力とみられています。脳や脊髄などの特定危険部位を口にしたのではないかと書いてある新聞もありますが,牛の脳はともかく,牛の脊髄というのは,確かフランス料理では,だし(出汁)をとる材料としてポピュラーだと聞いたことがあり,つまり日本の昆布や煮干,鰹節などに相当するわけで,ヨーロッパでこれを口にする可能性は,大いにあると思われます。しかし,狂牛病の異常プリオンは,これら危険部位以外にも蓄積する可能性があるという最近の実験結果もあり,とにかく,よくわかっていないというのが本当のところらしいですね。
 変異型ヤコブ病患者は,英国を中心に167人の患者が確認されているそうですが,1993年からはアメリカ牛の感染が疑われており,それが日本に入ってきていた可能性もあって,日本人の発症としては,英国ルートと共に,アメリカ牛ルートでの感染例も,これから出てくるかもしれません。潜伏期間が長いだけに,感染源の特定は難しいというか,確かなことを知るのは,ほとんど不可能でしょうね。

<BSEに関する,このBLOGの過去の記事>
アメリカ牛は93年からBSE
米で,BSEからヤコブ病発病か
BSE全頭検査,見直し
BSE対策見直し案
合理的な検査方法は,全頭検査?
BSE異常プリオン,危険部位以外へも蓄積

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» 国内で初めて確認された変異型ヤコブ病の患者 [りゅうちゃんミストラル]
イギリスに滞在歴のある日本人が変異型ヤコブ病で死亡していた事がわかった。BSEヤコブ病、国内初の新型患者…昨年12月死亡(夕刊フジ02月4日17時00分)厚生労... [続きを読む]

受信: 2005/02/09 05:18

» 国内初vCJD患者、「国内感染の疑い排除できず」と厚労相&感染した場合の保障は? [BSE&食と感染症 つぶやきブログ]
vCJDの国内初患者さんですが、「国内感染の疑い排除できず」と、厚労相が発言されたそうです。 ◆厚労相「変異型ヤコブ病患者、国内感染の疑い排除できず」 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20050308STXKC065108032005.html 感染管理が重要になってきますね。しかし、英国で感染したとしても、24日の滞在、3日の滞在で変異型ヤコブ病に感染するのならば、日本は海外旅行大好き国家ですし、「国内�... [続きを読む]

受信: 2005/05/23 17:19

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