英国牛狂牛病(BSE)から感染か,初の変異型ヤコブ病患者確認
9月4日,厚生労働省は,国内で初めて変異型クロイツフェルト・ヤコブ病の患者が確認されたと発表しました。
変異型ヤコブ病は,牛海綿状脳症(いわゆる狂牛病:BSE)の牛に蓄積された,異常プリオンを食べると感染すると考えられているもので,その潜伏期間は10年程度といわれています。死亡したのは日本人男性で,2001年に40歳代で発病し,昨年12月に,51歳で死亡しました。1989年に1カ月間ほど英国に滞在していることから,現時点では英国で感染した可能性が有力とみられています。脳や脊髄などの特定危険部位を口にしたのではないかと書いてある新聞もありますが,牛の脳はともかく,牛の脊髄というのは,確かフランス料理では,だし(出汁)をとる材料としてポピュラーだと聞いたことがあり,つまり日本の昆布や煮干,鰹節などに相当するわけで,ヨーロッパでこれを口にする可能性は,大いにあると思われます。しかし,狂牛病の異常プリオンは,これら危険部位以外にも蓄積する可能性があるという最近の実験結果もあり,とにかく,よくわかっていないというのが本当のところらしいですね。
変異型ヤコブ病患者は,英国を中心に167人の患者が確認されているそうですが,1993年からはアメリカ牛の感染が疑われており,それが日本に入ってきていた可能性もあって,日本人の発症としては,英国ルートと共に,アメリカ牛ルートでの感染例も,これから出てくるかもしれません。潜伏期間が長いだけに,感染源の特定は難しいというか,確かなことを知るのは,ほとんど不可能でしょうね。
<BSEに関する,このBLOGの過去の記事>
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