仏カルフール,日本撤退
3月10日,フランスに本拠を置く,小売業世界第2位のカルフールは,日本法人カルフール・ジャパンの全株式をイオンに売却すると発表しました。
日本の8店舗は,今後カルフールの名前のまま,イオンが経営するという事で,カルフールの事実上の日本撤退です。日本上陸から4年あまりで撤退に追い込まれたことになります。
カルフールの他に,世界第一位のウォルマートが経営する西友も,完全なウォルマート流のやり方では業績が上がらず,西友流に切り替えるというし,安売りを前面に打ち出した,いわば小売のグローバルスタンダードが日本で通用しなかったわけです。
日本の消費者は,かなりアメリカナイズされているように見えて,その実,案外そうではないのかもしれませんね。グローバルスタンダードが通用しない特殊性が,まだまだ日本にはあるようです。この特殊性,一説には野菜,魚,肉など,生鮮食品を多く食べる日本の習慣にあるといいます。生鮮食品を求めて毎日買い物をする習慣,さらに地方毎に旬の生鮮食品が異なる地域多様性,それが車で何日分も買いだめする欧米とは異なり,欧米流のスーパーが日本で生き残れない原因となっているらしいのです。ヨーカドーとイオンという2大スーパーが存在するのに,案外地方毎に地方有力スーパーが存在していられるのも,生鮮食品をはじめめとする食文化の地方性にあるという話もあります。グローバルスタンダードが通用しない特殊性というのは,日本人として,それはそれで大切にしなくてはいけない気はします。
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