アメリカ人は皆「おたく」
おたく青年の恋を描いた「電車男」は,映画に続いてテレビドラマでも高視聴率をとっていますが,最近,仕事の上で付き合っているアメリカ人を見ていると,アメリカ人というのは,づくづく「おたく」だと思います。アメリカという国は,「おたく」で成り立っている国といえるでしょう。
ある程度経済的に余裕のあるアメリカ人は,みな話を向けると一日中でもしゃべっていたい自分だけの「好きなもの」をもっています。たとえば,船のこと,ミステリーのこと,牛のこと(この人は,エンジニアであるにもかかわらず,自分で牧場を持っている人です),パソコンのこと(ある古い機種を大切に使い続けている人に会いました),宇宙のこと(といえば聞こえがいいのですが,要するに空飛ぶ円盤のことです),日本のアニメのこと,などなど。
考えてみれば,基本的に個人主義であるアメリカ人は,どんどん自分の趣味に深く深くはまっていき,それに興味ない人にとっては一歩引いてしまう,つまり「おたく」の領域にまで行き着いてしまうのは当然かもしれません。
一方,均質化を志向する社会であった日本では,やはり語りだせばいつまでもしゃべっている話題を持っている人というのも多いのですが,それは「ゴルフ」だったり,「野球」だったり,社会的に夢中になることを許される範囲であることが多かった。それからはみ出した,たとえば「アニメ」だとか「フィギュアー」だとか「パソコン」が好きな人は「おたく」と呼ばれて区別されてきたのです。日本も,これからは,いい悪いは別にして,欧米流の個人主義が広まっていくのでしょうから,「おたく」世代が増えていくのは当然で,いずれアメリカのように,「おたく」が自然なことであって,「おたく」という言葉で区別することもなくなっていくかもしれません。
| 固定リンク
コメント
オタクって言う言い方が悪いよなぁ。だって宅 八郎が出てくるもん。オタクって言う言い方を変えて、熱愛主義とかに変えればそういう人が日本に増えるかもなぁ。LOVE 日本。
投稿: タイチ | 2005/08/18 18:05
オタクという言葉は,英語の中でもそのまま使われるようになってきているようですが,英語のotakuはネガティブな意味でなく,ポジティブな意味で使われているようです。ただ,日本通のアメリカ人というのがいて,そんな人々は,「もともと日本ではネガティブな意味で使われている」などと話し,otakuという言葉をネガティブな意味で広めているそうです。
otakuの英語表現は,culture hermit(文化の仙人,または教養の仙人?)だそうで,某アメリカ人は,その言葉はポジティブな感じがするといいます。でも,hermitを辞書で引くと,隠遁者とか世捨て人とかいう意味もあり,本当にポジティブなのか疑問に思います。
投稿: Alice堂 | 2005/08/19 00:43