大阪高裁,靖国参拝違憲判決確定
大阪高裁の小泉純一郎首相の靖国神社参拝に対する損害賠償訴訟が請求棄却となった裁判で,10月11日,原告が上告しないことに決めたため,高裁レベルでの,靖国参拝の違憲判決が確定しました。原告の損害賠償は棄却されたものの,裁判所が参拝を憲法の禁じる宗教的活動と認めていたものです。
靖国参拝が宗教活動かどうかと問われれば,宗教活動に見えます。特に外国人から見れば。ただ,日本人の参拝というのが,果たして宗教活動といえるのかどうか,まことに疑問です。私は,近所の川崎大師か,カミさんの実家のある長野の善光寺か,地元の神社に初詣にいきますが,気持ちは宗教活動とは程遠く,縁起かつぎであるにすぎません。靖国参拝の場合,神になった戦没者に参拝するのだとすると,私の初詣よりは宗教活動ではあるように思います。
まあ,戦争犠牲者にキリスト教徒やイスラム教徒がいれば,小泉首相が神社に参拝するのは,いい気がしないの確かでしょう。しかしおそらく,たまたま神社に戦没者が祭られているから神社に行くのであって,拝む気持としては,神社でも,教会でも,お寺でも,モスクでも,戦没者に敬意を表することが出来ればどこでもいいという気持であろうと思います。それが日本式ですね。だから,国の戦没者合祀施設が出来れば,それを拝むのも抵抗が無いと思うんですがねえ。
首相の靖国参拝が宗教活動かどうかという問題と,中国・韓国から批判があるA級戦犯に対しても拝むのかという問題は別問題ですが,その両方を解決するには,やはり国の戦没者合祀施設が必要だと思います。
東京八王子市の高尾に,みころも霊堂という立派な施設があります。これは,労働災害で亡くなった方を祭る施設で,宗教法人でなく,厚生労働省が所管する独立行政法人「労働者健康福祉機構」によって運営されています。戦没者の方の合祀施設というのも,出来た暁にはこれと同じような機構になるのでしょうね。
しかし,今回の裁判所の判決は,外国との摩擦を生んでいる靖国参拝を止める言い訳になりますね。ある意味では,渡りに舟なんですが,小泉首相の今年の参拝は,どうするのでしょうか?
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