姉歯氏,総研,木村建設,証人喚問
昨日,11月14日の建築計算書偽装問題に関する衆院国土交通委員会証人喚問では,やはり事件の構造ははっきり見えませんでした。
姉歯氏以外の総研,木村建設,平成設計等の元請設計会社が,どのくらい計算書の偽装を知っていたのか,姉歯氏の設計によるマンションやホテルが,法律に違反するほど耐震強度が低いことをどの程度認識していたのか,本当のところ分かりませんでした。
姉歯氏は木村建設東京支店長から鉄筋を減らすよう圧力をかけられたというものの,計算書を偽装して法律を犯してまでそうしろと言われたわけではないらしいし,木村建設側はあくまでも法律の範囲内で鉄筋を減らせと言ったと主張し,耐震強度が不足するほど計算書が偽装されているとは思わなかったと言っているし,今回の証人喚問を聞いていると,先日このBLOGで書いた記事「気弱な姉歯建築士?」の中の友人が言うように,「コンサルタントも,建設会社も,元請設計会社も,販売会社も,耐震強度を偽ってまで安く上げようという意図はなかったのに,気弱な姉歯設計士がその意を汲んで,とんでもない設計を行って,それが検査会社や自治体の検査に引っかからなかったという事件」のような気もしてきます。しかしながら,建築に関わっている人たちならば,姉歯氏の設計が普通より鉄筋量が少ないとか柱が細いとか,感覚的に薄々分かっていたとも考えられます。
まあ,国会の証人喚問ではこの程度が限界・・・というより,自民党議員の質問は,わざわざ追求していない様にも感じました。あれは追求ではなく,ほとんど説教で,そんなことは今必要ありません。追求することをわざと放棄して,テレビの前で格好だけつけたという印象を持ちました。これ以降は押収した資料等の分析・検討などを含めて,警察や司法の捜査にゆだねるしかないと思います。
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