秋の終わり
12月から,暦の上では冬が始まります。近所のイチョウの木も,すっかり黄色く色づきました。
年によっては,気候の関係か,黄色く色づかないまま散ってしまうことがあります。今年は,イチョウの落葉のきれいな黄色いじゅうたんが敷き詰められることでしょう。
ところで,姉歯建築士による強度計算偽造事件は,昨日書いたコンサルタント会社代表の会見の様子がテレビニュースなどに登場し,この会社へ注目が集まりつつあるようです。無責任な想像ですが,このコンサルタント会社が,安くホテルの建物を建設する手法として鉄筋の本数や太さなどを指示し,それを木村建設やその関連会社の元請設計会社である平成設計がマンションへも適用し,姉歯氏がその趣旨に沿って計算を偽造したという構造が考えられます。真相はまだ分かりません。
このコンサルタント会社,元請設計会社,建設会社,構造計算担当建築士,マンションの場合はその販売会社,検査会社(役所)・・・。役者はこれだけ揃っていますが,鉄筋の本数や太さ,柱の大きさなどを違法建築となるほどごまかそうと思ったのは,いったい誰なんでしょうか? その考えに乗って,またはそれと知らずに,ほかの役者はその考えを実行に移していったわけです。
また,最終的に構造計算を偽造したのが姉歯氏だけなのかということも考えてしまいます。コンダクターにあたる黒幕がいて,その指示で動いていたのなら,姉歯氏以外にも,そのコンダクターの意図に従って偽造計算を行った建築士がいるのではないかと疑ってしまいます。阪神淡路大震災では,ある特定の建築会社の建築した建物が主に倒壊したと言われています。そのときの構造計算も,あるいは偽造されていたのではないかと考えてしまいますが,その時の建築士は,決して姉歯氏ではないのです。同様な偽造計算を行った建築士が他にもいるとすれば,日本中の建物を再調査する必要がありそうです。少なくとも,姉歯氏が担当していなくても,関連企業,総合経営研究所,木村建設,平成設計が絡んだ物件は,姉歯関連でなくても,調査する必要があるでしょう。
今回の偽造計算を1年半前に指摘した横浜の設計事務所代表によれば,検査会社(役所)が見破れなかったのは,「初めて入った飲食店でも,だれも毒が入っているとは思わないで食事するようなもの」だとのことですが,一度,姉歯がらみの物件以外でも,毒が入っていないか疑ってかかる必要があるのかもしれません。
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