« 中国紙の,中国教科書に対する歴史認識批判 | トップページ | 麻布十番商店街,六本木ヒルズ,そして青山霊園 »

2006/01/29

東横イン報道の誤り

 東横インの建築確認後改造事件,手広くホテルを展開しているだけあって,日本中に波紋が広がり,各自治体は違法性の確認に大童です。
 はじめマスコミは,「身障者用駐車場を撤去した」とか,「身障者用客室をリネン室として使用している」とか,あたかも東横インが身障者を疎外しているかのような報道をしていました。しかし実際のところ,身障者用だけでなく,そもそも駐車場を全部撤去したのであり,空いている客室を倉庫として使用しようとしたら,結局一番空いているのが身障者用客室だったというものらしく,特に身障者を差別するとか疎外するなどの意識はなかったようです。
 もっとも,建築基準法や条例をかいくぐろうとした事は事実のようで,それは裁かれなければなりませんが,東横インが,まるで意識して身障者を差別しているかのような印象を与える初期の報道は事実に反しており,マスコミはなんだかむりやり足を引っ張ろうとしているように感じました。こういうことがあるから,マスコミの言うことは注意して聞かなければならないのです。
 ところで,東横インならぬ東急インは,そのホームページの冒頭に,「東急インおよび東急グループは,東横インとは一切関係ございません」という注意書きを入れました。NHKはニュースのテロップで,「東横イン社長」とすべきところを「東急イン社長」と掲出し,お詫びを入れていましたね。東急電鉄には東横線があり,東急百貨店には東横店があり,グループ企業の中に東横の名前を冠した会社もあり,そもそも東急は,小田急,京急,京王と合併して東京急行になる前は東横電鉄だったし,確かに誤解されやすいでしょう。

|

« 中国紙の,中国教科書に対する歴史認識批判 | トップページ | 麻布十番商店街,六本木ヒルズ,そして青山霊園 »

コメント

建築確認をとって、その後建物を改造するというのは、日常おこなわれていると思います。
うちは、おそらく名前を聞けば誰でも知っている大手住宅メーカーで建てたのですが、設計段階でロフトの面積が問題になりました。そのとき、住宅メーカー側から、薄い仮の壁を作っておいて建築確認を取り、その壁を後で取り払うという話がごく自然に出てきました。
多かれ少なかれ、そんなことが日常茶飯事に行われている世界なのでしょう。

投稿: sato | 2006/01/29 15:11

 satoさん,コメントありがとうございました。
 個人住宅で建築確認後改造すると言う話は,知人から聞いたことがあります。建築確認後,地下を掘って,地下室を作ってしまったという話です。地下室にビデオ映写システムを入れ,AVルームにしてしまったもので,私も入ったことありますが,頭すれすれの低い天井がそれっぽかったです。

投稿: Alice堂 | 2006/01/29 19:54

蔑視しているとは私も思いませんでしたが、軽視、ないしは商売のじゃまにしているという印象を私は得ました。東横インの、あの社長の記者会見を見る限り。軽視は蔑視につながり得ると私は思います。
それに、ブログ記事の内容ですが、身障者用施設を撤去したのは事実であり、その記述も含めて「誤り」と見出しを立てるのは、マスコミがやっていることと同じことをあなたもやっていませんか。

投稿: いち市民 | 2006/01/30 13:40

 いち市民さん,コメントありがとうございました。
 報道も,東横インが身障者を「蔑視」しているとまでは言っておらず,新聞の読者やテレビの視聴者に「東横インは身障者を邪魔者扱いしている」という印象を与えようとしているように感じました。その意味で,はじめは「報道の悪意」という題名にしようと思ったくらいです。東横インは感心しませんが,身障者用駐車場だけでなく,来客用駐車場すべてを撤去してロビーにしてしまったのであり,はじめ「東横インが検査を受けた後,身障者用の駐車場を撤去していた」とだけなされた報道は,明らかに間違っていたのです。翌日から「身障者用1台分を含めた7台分全ての駐車場を撤去していた」と正確な報道が行われる様になりましたが,きわめて影響力のある新聞やテレビ報道は,正確であって欲しいものです。
 あの社長の会見については,特に身障者を大切にしようという意識もない代わりに,特に身障者だからといって軽視しようという意識もないように感じました。まあ,身障者と健常者を区別しないという事が,「軽視」といえるのかもしれませんが。

投稿: Alice堂 | 2006/01/30 21:04

東横イン問題について、同じような考えを持っているひとがいるんだなと思った。
このアドレスのBlog、2006年2月7日の記事に共感します。
 http://akutoku.seesaa.net/archives/20060207-1.html
同じ考えの人、けっこういるんじゃないかとおもいます。言うのはタブーなんでしょうけど、BLOGが盛んになって、いままでくすぶっていたこんな意見も明るみにでてきた。

投稿: いちい | 2006/02/10 03:09

 いちいさん,コメントありがとうございました。
 東横イン問題は,建築の問題だったのが,必然的に障害者問題にもなっていますね。
 私は必ずしも,有名な「悪徳」ブログ記事に全面的に賛成というわけではありませんが,正直言うと,「悪徳」ブログ記事と同じシーンに出会ったことがあり,その時は一瞬同じことを思った事があります。

投稿: Alice堂 | 2006/02/10 03:47

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 東横イン報道の誤り:

» とんでもホテルの実態 [娑婆に出る]
「駅前旅館」をテーマに、あるホテルがデフレ下にも関らず急成長した。ホテルの数は80を超え、各ホテルの稼働率も80%は超えている。売れるホテルの原動力は女性従業員。子育ての終わった主婦層を労働者として取り込んだことが加速度的な成長を生み出した。少し前の数字だが....... [続きを読む]

受信: 2006/01/29 06:05

» 「東横イン」と「東急イン」、えっ!勘違いですか? [やっばり言いたい中年のひとこと日記]
◎東急イン「うちは無関係」=「東横」と勘違いの抗議も 時事通信社(2006年01月28日20時50分) 「一切関連ございません」。東横インの無断改造問題に絡み、ホテル「東急イン」などを展開する「東急ホテルズ」(東京都渋谷区)は28日までに、同社ホームページ(HP)に東横インとの関連を否定するお知らせを掲載した。 東急ホテルズの広報担当者によると、同社には27日の問題発覚以降、「東横イン」あてとみられる抗議がメールや電話などで10件ほど寄せられたという。 よく似た企業名は、確かにある...... [続きを読む]

受信: 2006/01/29 17:18

« 中国紙の,中国教科書に対する歴史認識批判 | トップページ | 麻布十番商店街,六本木ヒルズ,そして青山霊園 »