成人式で騒ぐのは,神経症?
1月9日の成人式,例年のように,いくつかの会場で,知事などの講演の間に席に座っていられずに騒ぐ新成人があらわれたようです。あるブログでは,「これらの犯人を厳罰に処せ!」と言っていましたが,どうもそういう問題ではないのではないかと思います。
私がかつて小学校のPTAに関係していたとき聞いた話では,小学生の中に,授業中におとなしく席に座っていることができず,どうしても席からたって歩き回ったり騒いだりする児童がいるとのこと。どうしてもじっとして人の講演を聴いていられない。そこでそのような環境を壊そうとして,騒ぐ,いたずらをする,立って歩き回る。神経症というのか精神症,あるいは精神病というのか正確には分かりませんが,とにかく一種の病気であって,年齢を重ねるとやがてそのような症状が出なくなる場合が多いといわれていました。ただし,成長によって皆が直るわけではなく,20歳になっても直らない者もいる。細木数子さんによると,食生活のせいでそのような精神病が生まれるというのですが,それは本当かどうか分からないものの,とにかく,たくさんの新成人の中に,そのような神経症(精神症,精神病?)の者がいてもおかしくありません。電車の中でも,やたらきょろきょろして落ち着きのない人がいますが,おそらく同じような症状なのでしょう。
「集中力に欠け,衝動的で落ち着きが無い」と定義される病気として,注意欠陥多動性障害(ADHD)という障害がありますが,私が小学校で聞いたものがこれであるのかどうかは分かりません。
いずれにしろ,成人式の騒ぐ場面ではないところで騒ぐ者は,罰や叱責ではなく,むしろ精神病理学的な治療が必要なのであるように思います。本人は自分が他人と違っていること,病気であることを認識していないことが多いとのことですから,叱責よりも病院へ行くことを勧告すべきでしょう。
ところで,成人式という儀式は,どうも昔からしっくり来ません。自分自身の成人式にも,出席しませんでした。
大学生にとって,20歳は学業半ばであり,卒業して社会に出るタイミングとも違います。高校を卒業して社会に出る人は,18歳で立派に成人しているのではないかとも思います。また,歳は関係なく,実家を出て一人暮らしをはじめ,生活費も自分で稼ぐようになったとき,つまり親から離れて社会的に自立した時が成人になったといえるのかもしれません。学生であっても,結婚して子供ができて(順序が逆の場合もあるが),誰かの面倒を見るようになった時が成人した時かもしれません。
いずれにしろ,だれもかれも,一律20歳で成人したというのは無理があります。自治体で成人になった者を祝うのはいいのですが,「年齢に関係なく,成人になったと自分で思った人は会場に来てください」ということにしたらどうですか?
| 固定リンク
コメント