非姉歯物件,やはり耐震強度不足ではなかった?
木村建設が建設した熊本県のマンション22棟に関して,熊本市による設計強度再計算で耐震強度不足を指摘され,「非姉歯物件でも耐震強度不足」と大きく報道されていました。ところが,そのうちの1棟について,建設時に設計を担当した中山構造研究所が市の計算を精査したところ,鉄筋の太さや本数が間違って入力されていたことが分かりました。正しく入力した計算では,耐震強度は充分であるとの結論が出るとのことです。
熊本市は,入力間違いについて,「構造計算書がなく,不完全なデータで検証したため,計算委託先が入力ミスをしたのだろう。現在,中山構造研究所が提出した新しい構造計算書のデータを基に安全性を再検証している」とコメントしています。
姉歯物件のみに耐震強度不足があるのか,非姉歯物件にも耐震強度不足があるのかで,今回の偽装事件の性質がガラット変わってしまいます。特異な建築士の引き起こした事件なのか,建設会社・販売会社を含めた組織的な犯罪なのかという点です。あやふやなデータでの計算結果を軽々しく発表して,大きく「非姉歯物件でも耐震強度不足」と報道されたのは市側の責任であり,まだ結論が出ていないものの,マンションの住民に大きな不安を与えた熊本市の責任は重いと思います。
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