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2006/03/03

株のインサイダー取引

 もう1週間ほど前の話ですが,日経新聞の広告局に勤める社員が,株式のインサイダー取引の疑いで事情聴取されるという事件が明るみに出ました。新聞に載せるために企業から依頼のあった法定広告の情報に基づいて,新聞掲載直前に株を購入し,掲載後,新聞掲載情報に基づいて株が上がったところで売るという事を行っていたものです。
 このインサイダー取引というのは,「証券の投資判断に影響を及ぼす重要な未公開の内部情報を有する者が,それを利用して行う不公正な証券取引で,売買取引の公正と投資者保護のため規制される」というものです。しかし,そういわれると,たしかに不公正な取引かなと思うのですが,私のような素人には,なかなか難しいものがありますね。
 今回のケースも,新聞掲載前の情報で株を買ったというのですが,新聞を乗せた最初のトラックが動き出した時点で買ったらどうだったんでしょう。それでもインサイダー臭い。それなら,最初の新聞が,最初の駅の売店に並んだ時点ではどうだったんでしょう。そのとき,まだ地方の駅には新聞が並んでいない。情報を知らない人のほうが多いかもしれませんが,そのとき買ったらインサイダー取引にはならないでしょう。もっとも,そんな朝早い時間には,株式市場が開いていないという事もあるんでしょうけれど,まあ仮の話として・・・。
 ほかにも,たとえば,ある企業で大きなプロジェクトの遂行を任されたとします。成功すれば莫大な利益が得られます。失敗するかもしれませんが,成功することを願って,自社の株を買ったとします。無事プロジェクトが成功して,株価が上がって相当の利益を得た。そんな株の売買は,完全にインサイダー取引なんだと思います。株を買った時点ではプロジェクトが成功するかどうか分からなくても,成功した後で振り返れば,完璧にインサイダーを疑われるのではないかと思います。
 結局インサイダー取引というのは,情報格差を利用して株の売買を行って利益を得ることと言えますが,大なり小なり,人や立場によって情報格差はあるもので,公表された情報で売買しても,それを知りえた人の数jが多くなければ,インサイダー的であるような気がします。
 逆に,インサイダー取引を疑われるような情報に恵まれている職業の人は,怖くて株の売買も出来ないという逆差別があるかも知れず,そうなると何が公正なのか分からなくなります。世の中には「役得」という言葉があって,インサイダー取引というのは正にその「役得」ですが,「役得」の行使を法律で禁じられているわけですね。

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