梅田望夫著 「ウェブ進化論」
3月10日に,発行された「ちくま新書」の一冊です。
この本を読むきっかけは,書店で平積みされていたものを手に取ったことからなんですが,目次に「グーグル---知の世界を再編成する」という章があったからです。
私は,ネットや雑誌などで,グーグルが先進的なネット企業として最近特に注目されていることを知っています。でも,なぜ注目されているのかよくわかりませんでした。グーグルといえば,Yahooと同じような検索サイトなのに,Yahooに比べて,その注目度ははるかに大きいのです。その理由がよくわからなかった。この本には,その理由が書いてあります。Yahooとの違いも書いてあります。グーグルやアマゾン書店が,どのような意味で先進的なのかも書いてあります。それらが同じようなサービスを提供している他IT企業とぜんぜん違うということが書いてあるのです。また,ブログがこれからの社会変革に与える影響についても書いてあります。
以上の事柄をはじめとして,これから将来にわたってITが果たす社会変革に対する役割について,平易に解説した本です。私レベルの,普段ITと言えば,メールを使い,ブログを書き,ネットで買い物をする程度にしかネットを知らない者が読んで,ネットの可能性や恐ろしさを認識させてくれる本です。
そうですね,著者は,これら先進企業によるネットの将来を,おおむねポジティブに考えています。しかし,私は恐ろしさをも感じます。たとえば端的な例として,メールを開封して,ウイルスチェックやスパムメールをより分ける技術。確かに便利な技術で,私も利用しています。スパムメールの自動排除はもう必需品のように感じていますが,この延長線上の技術を用いて,手紙の内容にふさわしい広告をメールに付加して配信すると言われると,現在も既にメール開封を許している事にはじめて気づきました。まあ,メールの内容は,もはや秘密ではないことを前提にして,メールを使わなくてはなりません。そんなことも感じさせてくれる本です。
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