中国で,オンラインゲーム規制へ
中国で,インターネットオンラインゲームへの参加に,実名と身分証番号を登録を義務付けることを決め,この6月から施行されるそうです。
国家新聞出版総署という役所が発表したものです。ネットのオンラインゲームにおぼれる若者を減らすためだそうですが,いかにも中国らしい国家統制・国家管理的な手法です。
実際のところ,ゲームに関心のない友人や兄弟が名前や身分証を貸したり,またそんなことを商売にする大人が現れることも考えられ,いったいどこまでこのような手法が効果がるのか疑問です。本来自由なネットの世界に,様々な網をかけようという試みのひとつですが,統制・管理といった強権的な旧来の手法で,どこまで実効が得られるのか,興味深いことではあります。
本来,ネットでのオンラインゲーム人口を減らしたければ,もっと別のことに楽しさや自由を見出せる世の中にすることが必要です。
ところでゲームから離れて,中国の一党独裁とか何かにつけて強権的なやり方は,10億を超える人口,広大な国土を持った国を治めていく事を考えると,理解できないことではありません。しかし,そこそこの人口を持つ小国に生まれた私としては,そんな多くの人口,広大な国土を,大昔ならいざ知らず,現代において,一つの国が治める必要があるのかと思ってしまいます。他人のことながら,多くの人口,広大な国土を持つ国に生まれた国民の不幸を感じてしまいます。(大きな国である必要があるのだろうかという趣旨の記事は,以前も書いたことがあります)。
また,経済発展を第一に考えるのならば,発展途上の今日,経済発展に向けて国民のベクトルを合わせるために,強権的なやり方は必要だろうとも思います。日本も高度成長期には企業活動に対して多くの規制を課し,海外から非関税障壁などと言われていたのと一脈通ずるところがあるとも思います。しかし,日本が一党独裁でなく(結果的には自民党一党支配が続いたわけですが),選挙を行って制度的には政権交代が可能な状態で来れたのは,一党独裁制を敷かなくても国民のベクトルが経済発展に合っていたためといえるでしょう。そのベクトルあわせの原動力が「敗戦」です。第二次世界大戦での「敗戦」が,国民一丸となった経済復興・経済発展の原動力となりました。
そこそこの人口,そこそこの広さ,そして「敗戦」さえも,つくづく日本は幸運な国だと思います。
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