村上ファンド事件,その後
村上ファンドの村上代表は,企業の株を買い占めるとき,「企業の価値をあげる施策を株主として提案するため」といっていたのですが,実際のところ,企業の長期的に価値を上げるのではなく,短期的に株価を上げて,売り抜ける事を狙っていたに過ぎない事が分かってきました。
ニッポン放送株の取得について,逮捕前の会見では「フジテレビ,ニッポン放送の資本政策をいかにしたら直せるか一生懸命やっていた」といっていましたが,最近の供述では,インサイダー取引で買い付けたニッポン放送株について「利益を優先した」と,単に高値売り抜けが目的だったことを認める供述をしているそうです。ライブドアにニッポン放送株の購入を勧めたのは,保有していた同放送株の処理に困ったためで,ライブドアの宮内元取締役が村上氏にだまされたといっているのは,まあどっちもどっちですが,ある意味でそのとおりだったわけです。
ファンドの目的が,短期での資金の運用で利益を上げることですから,企業の価値を長期的に上げて,その株価を高値安定に持っていっても,高値で安定したらその後のうまみがまるでないわけで,そもそもそんなことが目的であるわけは無かったんですね。自己資金を運用しているわけでなく,利益を上げる事を約束して集めた資金で株を買っているのですから,企業の株を買って,株主としてその企業の成長に役立つ助言をして,その企業の成長を楽しみに待つというような奇麗事の世界ではそもそもありえなかったんです。
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