綾辻行人「びっくり館の殺人」読了
講談社のミステリーランドシリーズの一冊である「びっくり館の殺人」を読みました。
このシリーズは,綾辻行人をはじめ,島田荘司,有栖川有栖,歌野晶午,二階堂黎人,法月綸太郎,篠田真由美などの新本格派の面々から小野不由美,恩田陸など,当代一流のミステリー作家を網羅する書き下ろしで,少年・少女時代の著者自身に,大人になった現在の著者が贈るミステリーというコンセプトのシリーズです。
本の厚さだけ見ると長編のようですが,漢字にルビが振ってある大きな活字でゆったりと印刷された少年少女向け(「かつてこどもだった人へ」というコンセプトもあるんですがね)の本で,実際は中篇といえる長さの作品です。綾辻氏の他の作品のように,建築家中村青司の手になるびっくり館での殺人事件が扱われていますが,館モノの大長編を期待すると,ちょっと肩透かしを食うかもしれません。くれぐれも中篇として読んでください。
密室が扱われますが,メカニズム云々という密室ではなく,私は京極夏彦の「姑獲鳥の夏」を連想してしまいました(トリック的には違いますがね)。
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