タージマハール見物
インド出張中ですが,休日を利用してタージマハール見物に行きました。
タージマハールは,誰でも写真で一度は見た事がある建物だと思いますが,ムガール帝国の王様が,亡くなった后のために建てた白大理石造りの霊廟です。白大理石を彩る模様や文様は,ペイントしたものではなく,宝石を象嵌したものだそうです。22年間の歳月と数万人の人を動員して完成させたといわれています。ところがこの王様,余りにも国費を使いすぎたということで,息子である皇太子に捕らえられ,幽閉されてしまいました。幽閉されなければ,川の対岸に,黒大理石でタージマハールと同じ構造の自分の霊廟を作るつもりで,一部着工したといいますから,捕らえられるのも当然かもしれません。しかしそれから350年たった現在,世界中から観光客を集め,インドに富をもたらしていることを考えると,決して無駄な浪費ではなかったといえるでしょう。浪費もこのくらいのスケールでの浪費になると,以後数百年たって宝物になるんですね。ある意味,生きた金の使い方だったのでしょう。経済的な理由だけでなく,まちがいなく人類の遺産とも言うべき美しい建築物を残した功績だけでも,賞賛に値します。
タージマハールは,私が泊まっているニューデリーから南に200km程行ったアグラという町にあり,車で4時間ほどかかります。そしてその遠くから見たときの美しさ。感動的な美しさです。大きなドームのカーブが,他の同種の建物とは微妙に異なり,なんともノーブルな感じがします。もちろん世界遺産に指定されています。
駐車場からタージマハールのゲートまでの間,公園を通っていきますが,そこには物売りやホームレスがたくさん居て,海外からの気の小さい観光客にとってそこを通過するのは楽ではありません。声をかけられて無言で行き過ぎるより,いらないなら「いらない」とはっきり言う方がいいようです。ひところと違って,インドの物売りも深追いしなくなりました。
このタージマハールに入るとき,空港並に探知機のゲートをくぐり,さらに触診で検査されます。写真機以外の電子機器は,持っていると没収されることもあるそうです。前日に行ったデリー市内の世界遺産,フマユーン廟が何の検査も無かったので,ちょっと意外でした。
この時期のインドでの観光は,暑さのために楽ではありません。観光のハイシーズンは10月から3月までだそうです。しかし冬も霜が下りるほどの寒さになるそうです。まあ,暑さ対策より寒さ対策のほうが簡単かもしれませんね。
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