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2006/11/06

秋庭 俊著「帝都東京・隠された地下網の秘密」,さらにその後

 秋庭俊著「帝都東京・隠された地下網の秘密」に関連して,先日の記事にも書いた小竹向原に住んでいる友人に,「お前のところは,キャベツ畑が広がる田舎だと書いた本がある」と言ったら,『そんなところに住んでみたい』と言って,下の3枚の写真を送ってきました。
Kotakemukaihara1_1

 写真の右端に,地下鉄有楽町線の小竹向原駅へ下りる入り口がありますが,秋庭氏のいう「キャベツ畑」などあるような田園でなく,住宅地であることが分かります。
 下の写真は,秋庭氏が地下を走る道路だと思っているフシのある放射36号ですが,単に小学校の下をトンネルで抜ける地上の道路です。1枚目の写真が板橋区立向原小学校校庭下のトンネル。トンネルの向こう側がかすかに明るくなっていて,トンネル出口がすぐ向こうにあることも分かるでしょう。
 そこから反対方向に180度振り向くと,もう一つのトンネルがあります。その次の写真がそのトンネルで,トンネルの上は練馬区立小竹小学校の校庭です。こちらの写真でも,トンネルの向こうがかすかに明るくなっていて,延々と続く地下の道路でなく,短いトンネルであることが分かります。このように,秋庭氏の「帝都東京・隠された地下網の秘密」第三章に載っている「有楽町線建設史」から採ったという小竹向原駅の断面図は,単にこの小竹小学校下の道路トンネル部分の断面図であって,正式には「地下街路」というのかも知れませんが,放射36号というのは「地下街路」という言葉からイメージするような地下道路ではありません。
 この第三章の部分,「キャベツ畑」「地下街路」という言葉から,「現代において,田園地帯に巨大な地下鉄駅が建設されるわけが無く,戦前からあった地下道路の補修のための工事だったんだろう」という事を読者に感じさせるようなミスディレクションが施してある部分です。
Kotakemukaihara2_1

Kotakemukaihara3

 もっとも,小竹向原駅は,付近が住宅地であるなしにかかわらず,駅として大きなものにならざるを得ない必然性があります。ここは,東武東上線方面と西武池袋線方面への分岐駅で,西武有楽町線の起点駅でもあります。さらに池袋方面も,複々線の開始駅です。現在は有楽町線の複々線という扱いですが,明治通りの下で建設工事中の地下鉄13号線(渋谷-池袋)が完成した暁には,有楽町線急行線(新線)が13号線の一部となります。東武東上線,西武池袋線からの乗り入れ列車は,ここで合流すると同時に,有楽町線の新木場方面と13号線の渋谷,さらに渋谷から乗り入れる東急東横線の横浜や元町・中華街方面へ分岐します。現在東横線でも,代官山ー渋谷間で,地下化工事が始まっています。渋谷地下駅建設のため,プラネタリウムのあった渋谷の東急文化会館が数年前に取り壊されましたね。

 この記事,前の記事の「追伸」として,一時,前の記事の中にアップしましたが,小竹向原の友人からTELがあり,「追伸」では目立たないから独立させてくれとの事。まあ,彼が撮った写真でもありますし,独立させました(笑)。

<「Alice堂のWeblog」での「帝都東京・隠された地下網の秘密」についての記事>
     秋庭 俊著「帝都東京・隠された地下網の秘密」
     秋庭 俊著「帝都東京・隠された地下網の秘密」,その後
     秋庭 俊著「帝都東京・隠された地下網の秘密」は確信犯?
 そして,当Weblogのメンバーで,PodCast担当の高校生,修介によるPodCastは,
     アリス堂さんは秋庭本のファン?(PodCast by修介)

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コメント

Alice堂様はじめまして。「書き散らsyndorome」の天涯と申します。トラックバックありがとうございます。元・秋庭教信者(笑)です。今はすっかり真人間になり、ご覧のようなことをやっております。こちらのブログの存在は存じ上げておりましたが、TBいただけて感激です。これからもよろしくお願いします。

※最後の写真のカメラ位置がぼくと全く同じで感動的です(^0^)

投稿: 天涯 | 2007/01/29 12:54

 天涯さん,当Blogを見てくださっていたとのことで,恐縮です。
 秋庭氏の地下シリーズは,信じる信じないは別として,読み物としては面白いですよね。

投稿: Alice堂 | 2007/01/30 02:43

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» 放射36号地下街路探訪 その2 [書き散らsyndrome]
すんません。「その1」のエンディングがすっかり三文小説風になってしまいましたね。 [続きを読む]

受信: 2007/01/29 12:47

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