介護最大手コムスン,事業所新規開設・更新を禁じられる
訪問介護の最大手,コムスンに対し,厚労省は事業所の新規指定や更新を認めないことにしました。これは,同社が事業所の新規開設の際に,勤務していない訪問介護員を勤務しているなどと偽って申請するなど,不正を行っていたからです。事業所は6年毎に更新が必要で,今後更新が認められなければ,事業所がどんどん減っていくしかなく,事業継続が難しくなります。
厚労省も思いきった決定を行ったもんですが,それだけコムスンも悪質だったようです。介護事業を民間が行うようになった事で起こる,最悪の展開です。コムスンは,「だから介護は民間にまかせられないんだ」と言われるようなことをしでかし,介護業界に泥をぬったのです。そのことが残念でなりません。
今回の厚労省の措置によって,コムスンの親会社グッドウィルグループの株価が下落する中,介護事業でのライバルであるニチイ学館やベネッセなどの企業の株価が上がっています。株式市場で見る限りでは,民間介護事業全体を見限ってはいないようです。
コムスンは,これまでも利用者からも従業員からもいろいろな悪評を聞いていおり,儲かればいいやというところが見え見えな事業展開を行っているような印象を持っています。介護についての事業展開では,儲けだけではない誠実な企業運営が必要なはずです。今回の事は,生まれてから間がない業界で,やくざな企業が淘汰され,業界が正常化に向かうきっかけになるのかもしれません。しかし,コムスンがここまで大きくなって,このような処分が大きな社会的影響を及ぼさないうちに,何とか処分できなかったのかと思います。そもそも,役所ではなく民間が事業を行うメリットは,ダメな企業を退陣させることができるという事にあるはずで,その意味でも,このような企業はもっと早く何とかするべきだったと思います。
ちなみに,役所が直接携わっている為に,とんでもないことになっているにもかかわらず退陣させられないのが,社会保険庁の年金行政です。
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コメント
数年前、グッドウィルグループのメンタル関係の会社と取引をしましたが、組織としてかなり問題のある会社だという印象がありました。
人使いが荒く、まともに仕事が回っていない印象でした。離職者も多くて驚きました。
何かおかしいときはあちらこちらに兆しがあるものですね。
投稿: uota | 2007/06/07 22:28
uotaさん,いつもありがとうございます。
コムスン事件は,グッドウィルグループの体質の一端が表れたといえるのかもしれませんね。
コムスン自身の悪い噂は,知人,友人関係からいろいろ聞いていましたけれども・・・。
投稿: Alice堂 | 2007/06/08 00:31