テロ特措法,民主党の反対
11月1日で期限切れになるテロ特措法。その延長のために審議される法案の正式名称は,なんと「平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章の目的達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する処措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法の一部を改正する法律」というらしいんですが,その法案の成立に反対する民主党の言う「国連決議に基づかないので反対」というのは,一応もっともな様に聞こえますし,ちょっと前までは私もそう思っていました。
しかし,最近ミャンマーで起こった軍事政権による弾圧事件への各国の対応を見て,考えが変わりました。中国など,ミャンマーに利権を持つ国は,ミャンマーへの制裁や国際社会として軍事政権に圧力をかける事に熱心ではありません。しかもこれらの国は国連安保理で拒否権を持っており,これらの国が賛成しなければ国連安保理決議がなされないのです。つまり,現在の国連決議の有無は,国際世論を必ずしも代表していません。
だから国連改革の必要性が言われているのですが,それが実現できていない現在,国連決議なされていない事を頑なに主張するのはどうかと思います。国連で「決議された事」は尊重されなければなりませんが,逆に「決議されていない」事をあまりにも尊重しすぎる事は,国際世論に沿っていない可能性があるのです。「決議されていない事」ではなく,国際世論こそ重視すべきと思います。
もちろんテロ特措法には,目的以外のアメリカ空母などへの給油につながるという問題があり,軽々しくテロ特措法延長に賛成するという事ではありません。ただ,民主党の延長反対理由の一つ「国連で決議されていないから」は,誤りだと思っています。
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