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2007/12/19

年金「名寄せ」,3月までに完了は無理

Nenkintecho 年金問題について,3月まで「名寄せ」(宙に浮いている5095万件のデータが誰のものか,特定すること)ができないことを政府は明らかにしました。参院選前に,政府は明らかに来年3月までに「名寄せ」を完了するといっており,野党を含め公約違反だという声が上がっています。
 選挙前,政府が「3月までに名寄せができる」と本当に思っていたのならば,確かに認識不足でしょう。そもそも,そんな時間にできる仕事ではないということは,以前から言われていたことです。その認識不足は確かに責められるべきでしょう。
 しかし,選挙前に自民党が「最後の一人まで年金を支払う」と言っていた事を,野党は「公約違反」と言っていますが,私はむしろ最後の一人まで・・・」というのを聞いて,これは「そのような気持ちで事に当たる」というむしろ「スローガン」的なものと感じていました。自分の会社での仕事を考えても,5000万件を超えるかなりいい加減に収集されたデータと他のデータを結びつける作業で,完了した山のほかに,どうしても完了しなかった山ができる事はむしろ当然と言える事です。もちろん「かなりいい加減に収集」されてはいけないデータだったのですが,社保庁はどうもそうしてしまったらしい。そんなデータの突合せ作業で,「最後の一人まで年金を支払う」というのを「公約」だなどと受け取る方も,「何だかな~」という気がしています。そう受け取る方も認識不足だとさえ感じます。
 それにしても記者会見での「選挙の前だから言い方を簡素化した」という政府の言い方はいただけません。少なくとも,「データがこんな状況だから一生懸命やっているが,3月までにはできない」という説明を理路整然と行う必要があります。
 政府は今度,2年後までに「名寄せ」を完了すると言っていますが,それも不可能ではないかという話が伝わっています。私も,今回の「名寄せ」のような作業は,前にも言ったように最後の一人まで完了させることはほとんど不可能だと思います。
 今回の政府の対応は糾弾されるべきです。政府の参院選前の認識不足,それと記者会見での説明に仕方について糾弾されるべきなのです。しかし,野党もせいぜい1週間程度でそれを止めて,もっと建設的な方向に議論を持っていくべきです。多分「名寄せ」作業自体は,誰が政権を取っても,誰が責任者になっても,「できないものはできない」という種類の作業だと思いますから。まあ,社保庁が「いい加減なデータの山」を作ってしまったのが,そもそもの元凶なんですがね。

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