加納朋子「掌の中の小鳥」
加納朋子著「掌の中の小鳥」を読みました。
創元推理文庫に収められた短編集です。「エッグスタンド」という名のカクテルバーで,男女2人によって語られるちょっとした謎の経験。時にバーテンでもある女性オーナーや常連の老人も口を出して,謎が解決されます。マンションの一室の消失事件や叙述トリックも使用され,この作品集は紛れも無い推理小説ですが,全体を読み通して巻を置いて残る印象は,「恋愛小説」です。それでも,謎とその解決は申し分なく,ミステリーファンでも十分,いえ十二分に楽しむ事ができます。
5つの作品を収める短編集ですが,最初の作品は2つの独立した謎が扱われていて,実質上は6つの作品からなる本です。この本の表紙がすばらしいので,アマゾン書店へのリンクの他に特に大き目の表紙写真をつけました。
<アマゾン書店へのリンク>
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