ルノー・日産,インドで28万円の乗用車を発売
少し前に,インドのTATAが28万円(2500米ドル)の乗用車をインド国内で発売するという事が話題になりましたが,今度はルノー・日産グループが,2011年にインド国内で28万円の乗用車を発売する事を発表したという新聞報道がありました。
一瞬「へ~,日・欧メーカーでも28万円という価格が実現できるんだ!」と思いましたが,以前TATAの低価格車も日本の部品メーカーの部品を多用していると聞いた事があり,それを考えると確かに日・欧メーカーでも28万円の車はできそうです。日本の部品メーカーによると,機能的には国内自動車メーカーに納入するのと同じ部品でも,国内メーカーに納めるのは一点の傷もない物であるのに対して,TATAは機能的に満足していれば外観にはこだわらず,その結果歩留まりがとてもいいそうで,その分安価に供給できるのだとの事です。
しかしルノー・日産グループの低価格車というのは,ブランドイメージ的にどうなんでしょうね。インドは,国民の10%が富裕層で,その人々は日本人と同じような暮らしをしているといわれています。日本で10%といえば一千万人にしかなりませんが,インドで10%というと一億人。日本の全人口と同じくらいのインド人が「一部の富裕層」なのです。外国メーカーは,この数多くの「一部の富裕層向け」に特化して商品展開した方が,ブランドイメージ的に有利なのではないかとも思うんですが・・・。
現在インドで一番シェアをもっている乗用車メーカーは「スズキ」だといわれています。低価格車というと,ルノー・日産よりもスズキの方が発売する可能性が高いように思いますが,スズキはTATAと同じ程度の低価格車を発売せず,当面静観すると言っています。ブランド戦略的に,こちらの方が賢い選択なのではないかとも思えます。
(写真は,TATAの28万円,低価格車)
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