こんにゃくゼリーよりも危険なたべもの?
以前このブログにも書いた,9月の終わりに起こったこんにゃくゼリーの幼児死亡事件。それを契機として,メーカーはこんにゃくゼリーの製造を休止し,こんにゃくゼリーに対する法規制も考えられていますが,今度は千葉県でパンを喉に詰まらせて小学生が死亡するという事件が起こりました。
それに関連した報道で,平成18年から19年の2年間で食べ物を喉に詰まらせて死亡した事故についての記事が新聞にありました。それによると,食べ物を喉に詰まらせて死亡した事件が2年間で71件。原因食物の1位は「ご飯・寿司」で17人,2位が「パン」で8人,喉に詰まらせる事故で真っ先に思い浮かぶ「もち」はやっと3位に登場して,7人だそうです。こんにゃくゼリーはと言うと,以前の報道で「1995年以来の死者が17人」ということですから,2年当たりに換算すると1.2人という事になって,ご飯・寿司はもちろん,3位のもちの17%程度ということになります。
このようなことを考えると,伝統的な食物でない「こんにゃくゼリー」が不当に批判されているような気がしてきます。前にこのブログで,「規制よりも啓蒙と周りの人の注意で何とかならないんでしょうか」と書いたのですが,この報道を読んで,ますますその思いを強くしました。しかし,こんにゃくゼリーは新しい食べ物だとしても,こんにゃくというのは伝統的なたべものなんですがねえ。
しかし,ここで,ご飯・寿司とパンの擁護をしておくと,食品としての危険性を比べる時,単純に各々の食品が原因で亡くなった人数を比べるのでは不公平のような気もします。つまり,ご飯・寿司やパンは,約1億人強の日本人のほとんどが毎日最低1回は食べているのに対して,こんにゃくゼリーはそれほどの頻度で食べられているわけではないと思われ,それぞれの食品の2年間に食べられた延べ回数に対して,喉に詰まらせて死亡に至った回数を比較すると,断然こんにゃくゼリーを喉に詰まらせて死亡する確率は高くなります。まあ,考え方によって,危険性の順位が変わるということで,どの食品にしても危険ははらんでいるもので,本人はもちろん,周囲の人も注意が必要という事でしょう。
(写真は,クラッシュして飲み物のようにした蒟蒻畑。これなら安心。考えましたねえ。)
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