ワークシェアリング
日本でも最近,ワークシェアリングの話が出ています。経団連など経営者側は,おおむねワークシェアリングに賛成しているようです。
以前このブログでは,格差社会が内需を萎えさせ,最近の世界不況時に内需も一緒に弱くなり,外から(海外から)の不況に弱い日本社会を作りだしていると書いた事があります。
ワークシェアリング制は,複数の人が仕事を分け合い,ある意味では格差社会化に反して平等化を指向する制度です。その意味では,失業者を減らして,いい制度のように見えるのですが,しかし皆の収入が減少する制度であって,内需拡大につながるのかどうか疑問が残ります。ワークシェアリングよりも,①労働者の賃金,②会社の内部留保,③株主への配当という三点へのもっと広い意味での利益のシェアリングのバランスを,消費の活性化に向けて最適化する事が必要なんでしょう。
まあ,過渡的にはワークシェアリングなど小手先の対応も必要かもしれませんが,結局,各国が協調して何とかして世界経済を活性化させるような政策が必要だという事になってしまいますね。
(写真は,ワークシェアリングについての本ですが,このブログの内容とは関係ありません。皆が2働くのではなく,1.5だけ働いて,あとは家族と過ごす時間に当てるというオランダの例を紹介しています。)
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コメント
ワークシェアリングと直接かんけいありませんが、今回の派遣切りをみて、学校を卒業して、正社員として就職しないで安易に派遣として働く風潮が、少しでもおさまればとおもいます。
投稿: Mesh | 2009/01/12 21:34
meshさん,コメントありがとうございました。
確かに,ブログ本文記事と話は離れますが,正規社員の知人達との会話の中で,学校を出て,就職する時に,必死になって正規社員への就職活動をせずに,安易に派遣社員になってしまう風潮に対して,今回の不況時の派遣社員の処遇の事が,その抑止力になってくれればという話は出てきます。また,そもそも,不況時の安全弁として派遣社員が存在している事は,派遣になる時に承知していなければならないという人もいます。世の中,そんな甘いもんじゃないという人もいます。テレビや新聞などで報道される事はありませんが,皆が皆,無条件に派遣に同情しているわけではないのです。
しかし,あまり期間的な余裕も与えず,この師走寸前に派遣切りを行う企業も少なからずあった事は,やはりひどいと感じてしまいます。
投稿: Alice堂 | 2009/01/12 21:44