メタミドホス入り餃子事件の進展
日本で被害者が出た中国天洋食品製メタミドホス入り餃子事件。中国で新しい動きがありました。
事件後日本へ出荷されていなかった餃子を,地元の20余りの企業が購入して従業員らに配り,その従業員に吐き気を催すなど体調の不良を訴える人が出ていたということです。これは,事件のために在庫を抱えて苦境にある天洋食品を助けるため,国有企業の経営者達が従業員の福利厚生のためとして購入したものです。
今回の国営企業従業員餃子中毒事件,中国では公式には餃子が原因かどうかわからないとしており,日本で以前から報道されているような,出荷していなかった餃子により中国でも中毒が起こったという話は一般には伝わっていないらしいです。「餃子が原因だ」となった場合,おそらく天洋食品と共に国営企業側も責任を取らされるのでしょうしが,しかし毒入り餃子事件,中国政府は「中国でメタミドホスが混入されたとは考えにくい」として日本で混入されたものという見解を続けていたはずで,国有企業側は「中国国内の餃子は安全だと思っていた。それが政府見解だったはずだ」と言い訳できそうです。
そんな折,1月25日付の新聞で,中国当局が天洋食品の冷凍庫管理者を拘束したというニュースが入りました。冷凍庫を管理する従業員がメタミドホスを製品に混入したという見方を強めたというのです。しかしこのニュースも,中国国内では大きく扱われていないようです。このような,当局のこの事件に対する秘密裡の取り扱い態度が,この事件に対する国民の無知を招き,危険な餃子を従業員に配るという事態を招いたのだろうと推測します。
(写真は,1月25日付毎日新聞より)
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