小泉元首相発言
2月12日に開かれた「郵政民営化を堅持し推進する集い」での小泉純一郎元首相の発言。曰く,「私は最近の首相の発言について,怒るというよりも笑っちゃうぐらい,もうただただあきれている。」「最近の状況は,首相が前から『これから戦おう』としている人に鉄砲撃ってる。」「ねじれ国会と言うが,決してそんなに悪いことじゃない。政策優先という国民の声が強いから,衆参の意見が違ったら,どういう政策なら国民が納得できるか,よく協議してもいいと思う。」「定額給付金についても,私は本当にこの法案が3分の2を使ってでも成立させねばならない法案だとは思っていないんです。」「政治で力を得るには信頼だ。特に首相の発言に信頼がなければ戦えない。信頼が大事なことを肝に銘じて,なんとかこの難局を切り抜けるよう,皆さんと共にいい知恵を出していきたい。」
これまで無言でしたが,小泉氏ならばそう思っているだろうと考えていた,まさにその通りの発言です。一言一言を見れば,特に突飛な事を言っているわけでもないし,大方の世論の方向と同じ事を言っています。定額給付金の事だって,路上で「衆院で3分の2を使ってまで可決するような事か?」とアンケート的に聞けば,7割以上の人が「NO(決まれば貰うけれど)」と答えるでしょう。
この発言で,野党の影が薄くなり,報道は自民党一色になりました。この発言をきっかけにして,自民党が本気で「今の政局と内閣の不人気を何とかしなくては」と思って,首相すげ替えを含む対策を本気で考え出したら,野党は脅威でしょう。野党は今の麻生自民党と戦いたいはずです。国民の7割が支持していない内閣で選挙を戦う事に戸惑っていた自民党としては,変化のきっかけになる出来事で,ある意味,反対派も賛成派も,内心歓迎しているのではないかと思われます。ただ,本当に変化に向かう根性があるかどうか・・・?
いずれにしろ,100年に1度の経済危機の時期,こんな政争ばかりやっている国というのは,困ったものです。もう何回も言っていますが(今言っても遅いのですが),昨年の早い時期に,予定通りに選挙をやっておくべきでした。この不況の時期に,こんなに政局が安定していない国,政争をやっている国は,少なくとも先進国の中にはありません。
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