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2009/02/25

与謝野財務相,「トリクルダウン効果」を批判

Yosano 与謝野財務相が,2月24日の衆院財務金融委員会で,かつての竹中平蔵元総務相による「市場競争で富が集中しても,その富のおかげでやがて国民全体が潤う」という「トリクルダウン効果」について,「人間の社会はそんな簡単なモデルで律せられない」と述べました。
 最近の不況で,収入格差の増大が槍玉に挙げられ,この「トリクルダウン効果」は評判が悪いですが,まさにそう単純に割切れるものでないように思います。
 かつて,アメリカはこの「トリクルダウン効果」で成長してきました。ヘンリー・フォードが自動車を生産し,自らも富むと同時に,その工場は雇用を創出した。アメリカンドリームによる成功者が,国全体を富ませてきたのです。ところが,いつの頃からかアメリカはマネーゲームを,しかも莫大な資金を使ってゲーム(ばくち)を楽しんでしまった。それは正にゲームで,まともな経済活動ではありませんでした。そんなゲームでは雇用は生まれませんし,そんなゲームの勝者がたくさんの雇用を創出する事も,大いに社会に役立つこともありませんでした。
 かつてアメリカでは,「トリクルダウン効果」が確かにあったのです。ただし,それは日本には似合わないということはあると思います。貯金好きな日本人。その財布の紐を緩め,内需を拡大するには,終身雇用によって将来を保障し,総中流意識をもって,隣近所が何かを買ったら同じものが欲しくなる・・・。そんな社会が必要だったと思います。
 日本における「トリクルダウン効果」の実験は,まだその途上で,100年に一度の「マネーゲーム不況」が起こって頓挫してしまったのですが,これまでの実験状況をみると,日本に「トリクルダウン効果」はなじまないという気がします。まあ,「トリクルダウン効果」の実験は,一度はやってみる必要はあったのかなとは思いますが。
(写真は,自民党のホームページより)

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