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2009/02/20

自民党地方組織の反動

Douro_kouji 先日の朝日新聞では,自民党地方組織へのインタビュー結果として,「構造改革で公共事業は減り,田舎になるほど厳しい」「規制緩和で中小企業を軸とした地方経済が破壊された」という自民党の地方組織の意見が紹介されていました。
 改革とその反動,この100年に一度の大不況にあって,公共事業による金のばら撒きに頼らない強い地方経済とか,規制緩和による本当に有望な事業を機軸にした地方経済への転換とかという,将来の長期的展望はさておいて,今現在を何とかしてくれという気分が地方にも蔓延しています。
 たしかに,地方経済の構造の改革は,100年に一度の不況の時ではなく,ある程度安定した状況下で進めなくては,きつい痛みのみを伴うことになるでしょう。ここは,一時改革の後退があっても致し方ないのかもしれません。従来型の公共事業が削減され,地方の土木・建設業を中心として倒産,失業が起こっている。対症療法的に,それをとにかく食い止めるという事も必要かもしれません。なにしろ,従来型のばら撒き公共事業の減少による失業者を吸収する産業が育っていないし,この不況時にそのような産業が育つのも難しいでしょうから。
 しかし,そんなばら撒き公共事業の復活で,ばら撒き受け取り型の企業を永らえさせるのではなく,その倒産による失業は仕方ないとして,その失業者への何らかの対策を,この不況時限りの対策として行った方が,将来につながるような気もします。ここで後戻りして,ばら撒き受け取り型の企業を多少元気にしたところで,地方に,将来への希望も展望も生まれてこない事には変わりないでしょう。
 地方への支援というと,すぐ「金のばら撒き」になる。これは政府が本気で地方の事を考えていない証拠です。一時的,刹那的な対策でお茶を濁す。「まあ,それで,一時地方の支持率が上がればいいか」という政策です。都市で大学を出た若者が地方へ帰って仕事に就くという事が当たり前になるような政策,そんな社会を作っていくよう考えなければなりません。地方に必要なのは,「ばら撒き」に頼る,「誰かの下請けになって誰かに頼る」という「だれかに頼る」のではなく,独自に産業や仕事を創造する力です。そんな人材を地方へバックさせるような政策が必要です。

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