太田忠司 著 「予告探偵 西郷家の謎」
先日,このブログで紹介した太田忠司の「予告探偵 木塚家の謎」の前作,「予告探偵 西郷家の謎」を読みました。
終戦から数年経った1950年初頭,当主が絶対的な力を持つ旧家,西郷家の末娘の結婚相手指名の日。結婚相手候補は巨大コンツェルンの御曹司,文部政務次官,貧しい画家の3名。当主が結婚相手を指名した後,候補だった文部政務次官の死体が発見される。そして,西郷家の知合いである原子力研究者の行方不明事件を追って警察官が2名訪れる。謎を解く為に西郷家を訪れていた魔神尊と木塚の謎解きがはじまる。しかし,読んでいるうちに,ちょっとおかしな事に気づきました。後作である「予告探偵 木塚家の謎」では,1950年代の主人公と今作の木塚氏の名前が違う。後作の1950年代の木塚氏は,木塚孝道,ところが今作では同じ1950年代のはずなのに木塚東吾。後作で木塚東吾といえば・・・。なるほど,そういう事だったんですか・・・と思って読んでいくと,やはりそういう事でした。まあこれは,本筋とは余り関係しないエピソードです。(本筋と関係ないとはいえ,ミステリーなので,奥歯に物のはさまったような紹介はご容赦ください。)
1950年代,旧家の婿選びで起こった殺人事件,途中の道路が不通になって外部から途絶された古い洋館,不審な原子力研究者の跳梁・・・。古き良き探偵小説の道具立てが好きな私は,なかなか楽しめました。
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