砒素入りカレー事件,最高裁が弁護側の上告を棄却
1998年,和歌山市の夏祭りで起きた砒素入りカレー事件。4人が死亡したこの事件の,林真須美被告の上告審で,最高裁は4月21日に弁護側の上告を棄却しました。これで林被告の死刑が確定します。
状況証拠は十分理解できますが,本人は最後まで無罪を主張しており,なんだか気持ちが悪いです。これから死刑囚となり,死刑はすぐ執行されるわけではありませんが,その間に何らかの心境の変化で,自供するでしょうか? 砒素という,そこら辺に転がっているわけではない毒薬が使われ,それを確かに持っていた者がいて,その者がカレーに近づいていたというだけで,それはもう状況的には黒である事は理解できます。しかし繰り返しになりますが,このままではなんだか気持ち悪いです。さらに,このような状況証拠のみのケース,しかも死刑がかかっているケースをも,一般人が裁く事になる裁判員制度について,改めて戸惑いを覚えます。
(写真は,この事件で砒素を分析した,兵庫県播磨科学公園都市にある放射光施設,Spring8。財団法人高輝度光科学研究センター(JASRI)のホームページより。)
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