ネット上の昔の地図
ネット上で東京の古い地図を探していて,みつけました。
「日文研」,大学共同利用機関法人「国際日本文化研究センター」という組織のサイトです。初代所長が,著名な哲学者である梅原猛氏で,ドナルド・キーン氏なども過去に所属していた事があるようです。ここのサイトの「データベース」の一つとして「所蔵地図データベース」というのがあり,明治時代から昭和までの日本各地の地図が収められています。ただ,地方に関しては,主要都市の一つ,二つくらいしか無いのですが,東京の地図はかなり充実しています。しかも,各地図は,地図上の小さな文字がはっきり読み取れるくらい拡大する事ができます。
このサイトで,昭和10年の「模範新大東京全圖」という地図を何気なくみていたら,当時の東京郊外であったろうと思われる所に,「○○園」という名所のマーク(三つの点)のついた場所がある事に気づきました。東北沢付近に「大山園」,下高井戸付近に「吉田園」「暁雲園」,碑文谷に「角福園」,目白に「林泉園」。
「○○園」というと,考えられるのは遊園地,農園,幼稚園のような教育施設または福祉施設・・・。そこでネットで検索してみると,このうち,「大山園」と「吉田園」は,和風庭園を主とした当時の遊覧施設であったようです。つまり今の目黒の「八芳園」や「雅叙園」と同じような感じだったんだろうと思います。「林泉園」は池のある谷戸を公園としたところのようです。ことによったら「大山園」も,「林泉園」と同じような,飲食抜きの庭園だけの施設かもしれません。一方,「暁雲園」と「角福園」は,ちょっとばかりネットで検索してもわかりませんでした。
古い地図を眺めるのは面白い。古い地図上で興味深い場所があって,でも行ってみると現在は何の変哲も無い街角で,昔の面影が無くてがっかりしたりします。
---<追伸>---------------
東北沢大山町の大山園は,その昔は明治維新の立役者の一人,桂小五郎(木戸孝允)の農園で,その後ここの持ち主となった鈴木善助という人が「大山園」として庭園を開放したということですが,その跡地,持ち主がいろいろ変わり,今では最近の不況でも特に元気な某アパレル企業の有名な社長さん宅になっているらしいのです。そしてそれは,下の航空写真の場所だと思います。この写真は1948年(昭和23年)のもので,年代的に大山園そのものが写っているのかどうか解りませんが,なんだか庭園らしく見えます。
(国土地理院の国土変遷アーカイブより)
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