大きな政府?
某テレビ局のアンケート。民主党の代表選が終わり,「自民党と民主党,どっちに政権を担当してもらいたいか」というアンケートでは,民主党が40%台,自民党が20%台。「麻生氏と鳩山氏,どちらが首相にふさわしいか」についてもほぼ同様の結果です。選挙戦後の政府に望む事は,「介護,年金,医療など,将来に不安の無い社会を望む」という意見が多かったです。
これは確かに切実にそう思うでしょう。年金にしろ介護にしろ医療保険にしろ,手当が少ない方へ少ない方へと動いている現状があって,どんどん将来への不安が募ってきています。この事から,消費よりも貯金を志向し,少なからず物が売れない社会を作り出しています。子供を作る事に対しても,養育費や教育費などへの不安から,少子化に拍車がかかっています。これらに対して,政府の厚い保護を望む・・・,つまり大きな政府を望んでいる国民が多いのです。どうも,お上の手厚い保護に頼るというのは,昔からの日本人の特質のような気がします。日本人には大きな政府が必要なのです。もちろん,大きな政府を志向するのならば,国民はそれだけの負担を負わなければなりません。ヨーロッパ流の「ゆりかごから墓場まで」を志向している国の消費税は,5%などというものではなく,10%〜20%は当たり前という世界です。世界に冠たる福祉国家である北欧の国々に至っては25%程度です。しかしその為に,老後の生活は保障され,医療は無料,教育も無料という世界です。実際のところ,25%も消費税を払っても,教育等いろいろな物が無料なので,結局生涯にかかる支払い金額はかえって少ないのかもしれません。麻生政権は,将来の消費税増税を明言しましたが,消費税が上がるのに対して,何を保証するのか,何を無料にするのか,そっちの方も合わせて明言しなければ片手落ちだし,国民の支持は得られません。
小泉政権以来,政府に頼らない社会,小さな政府を志向してきたのですが,この不況を経験し,将来の不安から消費できない,物の売れない社会を経験した今,小さな政府か大きい政府か,どちらを望むのかを国民も考えて結論を出す時期にあるように思います。
(この記事に何か口絵的な写真を添えようと思ったのですが,せいぜい「大きな政府,小さな政府」をテーマにした本の表紙くらいしか思いつきませんでした。そんなわけで,アマゾン書店のサイトで検索して出てきたのが左上の本です。4000円近くする本で,東京大学出版会から出ている本なので,ひょっとしたら大学の教科書として使うものかもしれません。・・・というわけで,私が読んだというわけではありません。)
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