鳩山総務相,辞任
鳩山総務相がやっと辞任,まあ限りなく罷免に近いのですが,辞任しました。
東京中央郵便局の建替え問題などに口を出した時は,冗談かと思ったもんです。鳩山氏の辞任を受けて,マスコミ各社は,喧嘩両成敗的に日本郵政の西川社長の進退を云々していますが,喧嘩どころか私の感覚では,一方的に鳩山氏が,まるでチンピラのようにつっ掛っていただけです。西川社長の辞任問題にからんで,最近のダイレクトメール不正発送などの問題の責任を西川社長に問うていますが,その問題は郵政公社時代の膿です。
そもそも始まりは,かんぽの宿の一括売却問題でした。鳩山総務相が一括売却問題で西川社長につっ掛っていった事は,驚いた事に,結構国民に受けているようです。かんぽの宿を一括売却しなければ,ひとつひとつ入札を行って行く事になりますが,一つ二つではないかんぽの宿ひとつひとつを売却していき,すべてが完了するまで,いったいどのくらいの期間かかるでしょう。長期間かかるであろうその作業の人件費,煩雑な事務費用はいったいいくらかかるのでしょうか。売却で得られる利益は,当然,売却の為に掛かるそれらの損失を考慮した上で,マキシマムになるような方法で売却を行わなければなりません。そんな費用を全く考えもせずに,表面的な売値だけを云々するというのは,人件費や事務費などいくら使っても全く気にしない,いかにもお役所的なやり方,考え方です。第一,ホテルや温泉事業を行うつもりも無い民間企業・日本郵政にとって,かんぽの宿の様な本体に生えたしっぽのような事業は,手っ取り早く売り払いたいはずで,一括して早急に売り払ってしまうという感覚は,民間企業の普通の感覚だと思います。それを監督官庁である事を振りかざして計画を台無しにするというのは,「民間と言っても,俺たち郵政族にはさからえないんだぞ!」というデモンストレーションとしか思えません。結局かんぽの宿の一括売却は白紙に戻され,鳩山氏は「なるべく長期間かけて売却していく」などと,民間では考えられないような事を言っているのです。
地方の郵便や貯金の事情などを考えると,私は必ずしも民間の論理を貫き通すのがいいとは思っていませんが,まずは民間のやり方で,ダイレクトメール不正発送問題や郵政族議員の跳梁なども含めて,役所時代,公社時代の膿みを出し切る事が必要だと思います。民間企業となった郵政公社のなにが良くて何が良くないかを判断するのは,もう少し先の話です。(郵政族にとっては,早く元のように利権を手にしたいんでしょうけれどもね)
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コメント
以前このブログでPodCastを配信していた修介です。
この記事は,Alice堂さんでなくて,kenさんが書いたっぽいですね。
まあ,おさえておさえて。
投稿: 修介 | 2009/06/14 01:04
かつて冊子小包というものがありました。
現在はゆうメールといいます。
ここに特別運賃というものがあります。月5000個以上だと大幅に割り引きされます。
目の前に郵便局があっても個人で持って行くと高いので、そこで、普通は猫とか飛脚に電話します。佐川が持って行くと安いのです。こんな不公正なことが何が新自由主義ですか。
簡保は例えば私の母が、病気の父を抱え、個人で温泉などへ遊びに行くのに気が引けて、郵便局が募集する剰余金での宿泊を楽しにして、爪に火を灯して貯めていった金です。まるでオレオレ詐欺のように取って行く。なにが郵政族ですか。
投稿: カナ | 2009/06/14 02:22
たしかにカナさんがおっしゃるようなことがありますね。
ただ、制度の話をするとき、個々の細かい事例についてあまり考えすぎると、道をあやまることもあるとおもいます。
さしでがましいことを言ってごめんなさい。
投稿: Mesh | 2009/06/14 09:28
■鳩山総務相が辞任 日本郵政社社長人事で-鳩が豆鉄砲喰らって墜落することは最初からわかっていた?
こんにちは。鳩山総務相が辞任しました。鳩山さん「かんぽの宿」の売却価額に関して、不当に安いということで激怒したようですが、私自身は、これについては市場原理の観点からやむを得ない部分もあったと思います。さらには、郵便物を不当に安くしたこと自体も、組織ぐるみでやったことでないので、この点に関しても西川社長には監督不行き届きの面も否めませんが、どちらかというと、被害者だと思います。それよりも、これに関わっていたとされる、民主党議員を糾弾すべきだったと思います。何よりも、「西川社長の謝罪」案という、妥協案を蹴ってまで、今のこのタイミングで辞任するということは、自民党や麻生総理にとっても迷惑な話だと思います。いろいろな憶測が飛び交っているようですが、真実はもっと単純で、ひとことでいえば、鳩山さんの社会性が脆弱だったということではないかと思います。詳細は是非私のブログをご覧になってください。
投稿: yutakarlson | 2009/06/14 11:41
しばらく見ないうちに,いつになくコメントがきていると思ったら,一つは「かつてこのブログでPodCastをやっていたが,彼女ができて忙しくて休止している高校生」の修介のモノだったのかい。コメントやトラックバックの登録は修介の担当だが,何かと忙しい中,頻繁にブログをみて登録してくれているようで,ありがとう。
さて今回の問題では,いろいろな意見がありますが,Meshさんの「制度的な話をしているときに,個々の細かい事例について話を究めて行くと,判断を誤る」というのは,確かに本当だという気がします。ある意味,鳩山総務相によるイチャモン「かんぽの宿一括売却問題」にせよ,「中央局建替え問題」にせよ,「ダイレクトメール不正問題」にせよ,今はもう少しの間,民営化の行方を注意深く見守っていなければならない時期なのに,個々の細かい事例について云々してばかりいるという気がしています。鳩山氏を「よし」とする方のブログで,「そもそも,民営化の方向が間違っている」という論調が見受けられますが(私は,実はそれに反対というわけでもないのですが),鳩山氏はそんな事を言っているわけでもないのです。ただ,「かんぽの宿一括売却がけしからん」「中央局建替えがけしからん」「ダイレクトメール不正がけしからん」等と言っているわけで,それが鳩山支持ブログの「民営化の方向が・・・」という大局的な,制度的なものになっていません。なんだか細かい事例について「けしからん」と言っているだけで,分かりやすい反面,Meshさんの言うように,そんなことばかり究めても民営化の方向の是非というような大局的な議論には発展していません。まあ,私は「民営化の方向が・・・」という議論は,もう少し後でいいと思っていますが。
ところで,ブログ記事を書いたkenさんは,どこへ行ったのでしょう? 皆さんのコメントに対して,反応がありませんね。
投稿: Alice堂 | 2009/06/14 15:28
民間人のkenさんは,出張でしばらく東京にいないらしいですよ。
それに,いつも僕の紹介の時,へんな「 」をつけるのはやめてくれませんか
(*`ε´*)ノ
投稿: 修介 | 2009/06/14 16:07
どうも郵政に関する最近の議論は、テレビの情報番組の議論や新聞の社説、それにブログを含めて、どうもかみ合っていない気がしてしょうがない。
鳩山元総務相は、根本にその問題があるにせよ、今現在、民営化をやめろとか進めろとか言っているわけでは無く、西川社長の責任問題に止まっているのに、世間の議論は郵政民営化是非にまで行ってしまっている。また一方では、このブログへのコメントのように、かつてあった冊子小包の話やら簡易保険利用者のかんぽの宿宿泊の特権がなくなってしまった話など、西川社長の責任問題とも、郵政民営化の是非とも、とりあえず関係ない事を言い出す人もいて、混乱に拍車をかける。そのような個々のサービスは、必要ならば民営化してもできるし、必要ないなら公社でもやめられる。また中には、西川社長の能力云々など、誰も言い出していない事を言い出して、さらに混乱しているブログもある。
ミソもクソもいっしょくたに議論されていて、しかもそれが遠い所で郵政民営化是非という事につながっているようで、そのために完全に排除できなくてわかりにくい。
なんだかみんな、やたらと大声でわめき散らす元総務相の大声に惑わされているようだ。あんな大声でわめき散らすヒステリックな人は、わたしが上司なら、重要な仕事は任せない。
Alice堂さんのコメントの中に”今はもう少しの間,民営化の行方を注意深く見守っていなければならない時期なのに,個々の細かい事例について云々してばかり”という文があり、わたしと同じ感覚かどうか分からないが、わたしは郵政民営化の事がミソならば,元総務相の言っている西川社長の責任問題はクソの方だと思っている。そのミソの方の話は、結論を出すのにもう少し時間をかけて今の民営でのなりゆきを見守っていく必要があり、いまどうのこうのいう時ではないと思う。もちろん、クソの方の問題を議論しても悪いわけではないが、ミソとクソは渾然一体とせずに、はっきり区別して,しかもクソの方ならクソの方と認識して議論すべきだ。
元総務相の言うクソの方の問題、特にかんぽの宿一括売却は、民間ならば普通の事でしょう。そもそもかんぽの宿は、簡易保険契約者の保養所です。民間企業にも社員の為の保養所というものがあるが、従業員数十万人という大企業でも、あんな大きな保養所はないし数も多くはない。もっとささやかなものだ。かんぽの宿はどう考えても、簡易保険契約者の事を考えて作ったのではなく、箱ものを作る事自体を目的としたものです。さらに現在、企業の保養所はどんどん売却されていて、代わりにホテルや旅行社と契約して既存のホテルなどに安く宿泊できるような制度に変わってきている。そんな変化の時代に、かんぽの宿を売却しようとする事、それを手間をかけずに金をかけずに売却する方法として、従業員ごと一括売却する事は、民間企業のやり方としては全くおかしくない。
このブログのコメントの中で、かんぽの宿売却でに泊まる事ができなくなった事を、”まるでオレオレ詐欺のように取って行く”と言っているコメントがあったが、民間企業のように、ホテルや旅行社と契約して簡易保険契約社にサービスすれば、もっと安く、もっと良いサービスを受けられただろうに。それをとって行ったのは国営時代の郵政だ。
投稿: グスコー | 2009/06/19 02:37
グスコーさんの意見は,「クソ」という言葉は悪いですが,「元総務相の言う西川社長の責任問題」と「郵政民営化の是非」が渾然一体として議論されているのが分かりにくく,責任問題の根底に民営化の是非があるものの,「責任問題」と「民営化の是非」は区別して議論しなくてはならないというもので,それはその通りだと思います。
投稿: Alice堂 | 2009/06/19 03:04