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2011/03/22

東川篤哉「館島」,読了

Yakatajima 「謎解きはディナーのあとで」という推理短編集が85万部の売上げを記録し,新聞にも特集記事が出るというブレイク状態になっている東川篤哉の「館島」を読了しました。
 瀬戸内海に浮かぶ小さな島「横島」。その島は将来,まだ海面に姿を現していない瀬戸大橋の橋脚となる島だった・・・。そんな時代背景の中で物語が進行します。
 その横島に岡山の有名な建築家が別荘を建てた。その別荘は奇妙な銀色の六角形をした建物で,屋上には4つに分けた中華饅頭の様なドームが乗っている。その別荘が完成して間もなく,その建築家はその別荘で墜死してしまう。死体に移動された跡があるが,別荘のどこを探しても,墜落した痕跡は見つけられない。
 その半年後,建築家の未亡人がその別荘に事件の関係者を再び呼び集める。島へ渡る連絡船「よこしま丸」には,墜死事件が起きた時に館に滞在していた人々と共に,未亡人の姪である岡山で開業している若い女性探偵と「未亡人の義理の姉の娘が,叔父の息子の愛人」だという関係の青年刑事も乗っていた。折りしも台風が館島に接近し,本土との交通が途絶する中で,再び殺人事件が起こる・・・。
 以上の紹介で分かるように,孤島の館もの,そしてユーモアミステリーです。でも物語の骨格は,しっかり本格派推理小説。ただ惜しい事に,館の秘密と現場のない墜死の謎は,案外簡単に想像できてしまいます。しかしそれが分かったとしても,ユーモアミステリーとしてプロットを楽しむ事が出来る作品です。
 ・・・というわけで,ユーモアミステリーの衣をまぶした孤島の館ものとして,なかなか楽しめました。館の秘密と墜死の謎は,簡単に分かってしまいましたが・・・。

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