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2011/03/23

東川篤哉の「謎解きはディナーのあとで」

Nazotokiha 先日読んだ「館島」の作者,東川篤哉の「謎解きはディナーのあとで」。80万部を売上げ,主な書店では,今平積みされている連作作品集です。
 主人公は国立署の刑事にして大財閥,宝生家の令嬢である宝生麗子。サブキャラクターが自動車メーカー風祭モータースの御曹司にして麗子の上司,風祭警部。そして実際の主人公,麗子の持ち込む事件の話を聞いただけで解決する,宝生家の若き執事の影山。この短編集は,結局は影山の探偵譚です。
 その影山が解決する際に口にする言葉が「失礼ながらお嬢様,お嬢様はアホでいらっしゃいますか」「ひょっとしてお嬢様の目は節穴でございますか」などなど。
 ベストセラー作品なのですが,ちょっと期待外れの感があります。その感覚がどこから来ているのかと考えてみると,描かれる事件自身がそれ程面白く無いのです。影山執事の推理は,実に「本格推理」していて,とてもいいのですが,事件から謎的興味がわいてこないのが難なのです。犯人の意外性がなく,誰が犯人でもかまわないという事件で,解決の意外性も少ないです。
 はっきり言って,先日読んだ長編「館島」の方が面白かったですね。東川氏は基本的に長編作家なのかもしれませんね。

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