加賀美雅之「吸血鬼の塔」
加賀美雅之の短編集「縛り首の塔の館」の第4作,「吸血鬼の塔」。
パリ警視庁の予審判事ベルトランの元に持ち込まれた吸血鬼事件。家庭教師が5歳の少女と15歳の少年の首筋に噛みつき血を吸っている事から始まり,その家の主人が誰もいない塔から転落した事件,さらに犯人の足跡が一切ない泥濘の中の殴打事件が語られます。
この作品は種明かしされてみればこの特殊な状況での事件の解決はこれしか無いと思うものの,プロットも工夫されて,なかなか面白い作品だと思います。
冒頭の吸血鬼事件では,シャーロックホームズの事件簿に収録された「サセックスの吸血鬼」を思い起こしたのですが,吸血の理由はまさに同じでした。その面での意外性はありませんでした。
| 固定リンク
« 飯岡漁港 | トップページ | 「代一元」のラーメン »
コメント