加賀美雅之「白魔の囁き」
加賀美雅之の短編集「縛り首の塔の館」の第3作は「白魔の囁き」です。
足跡の無い雪原で,15m以上の高さから墜落死したとしか思えない死体が発見されます。しかし周りには15m以上の高さをもった樹木も建物も存在しない。そんな謎が提示されます。しかも本作ではそんな状況が3件も発生します。1件はカナダの奥地で,2件はイギリスで。
例によって,信じ難い状況を語る人物が犯人だろうという事で犯人の推測はつくのですが,トリックは想像できませんでした。雪原に高い場所から被害者を落とす方法というのは昔からいくつか作例があり,私は大坪砂男の「天狗」を考えていたのですが,むしろ「斜め屋敷」だったんですね。
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