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2012/04/26

芦辺拓「地底獣国の殺人」

Chitei

 芦辺拓第三弾(単に私が芦辺長編を読む3作品目だというだけの話ですが)は「地底獣国の殺人」。
 森江春策が図書館で調べ物をしている時,老人が近づき,森江の祖父春之助が参加した1930年代の冒険譚を話して聞かせる。それは春之助が勤める新聞社が主催した,トルコのアララト山に飛行船で到達し,ノアの方舟を捜索するというプロジェクトの話だった・・・。
 飛行船の一行は,アララト山でノアの方舟ならぬ大きな穴をみつけ,そこに降下して恐竜などが跋扈する世界を発見する。その地底獣国で起きた殺人事件。その犯人を森江春策が推理します。
 ロストワールド的な冒険物語と推理小説が見事に組み合わされ,そのどちらも好きな者にとってはとても面白い作品に仕上がっています。
 殺人事件の謎の他に,語っている老人が誰かという謎にも最後にひとひねりあり,ミステリーとしてもなかなか魅力的にできています。ガチガチの本格推理好きにとっては異質の作品だと思いますが,私のように「謎を楽しむ」事を主眼におく者にとっては,なかなかに面白い作品です。

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